Nobuyuki Takahashi’s blog

2008年 8月 5日のアーカイブ

奥行きのある表面

2008年 8月 5日

小原のチキンハウス

小原のチキンハウス

日曜日にひさしぶりに小原村に行く。私がかつて住んでいた小屋周辺の草刈りをするためだ。私は大学を卒業後、約8年間をここで過ごした。現在は住まいを名古屋市内に移したが、大家さんのご好意にあまえて、いまだこの場所をお借りしている。
写真を見ての通り、鶏舎小屋である。周囲100mに家屋はない。ここに来た理由ははっきりおぼえていないが、何を思ったのか、「自分で自分の生活を作ってみたい」というぼんやりとした決意があったのをおぼえている。最初は電気、水道などのいわゆるライフラインは皆無だった。
村に入り、「寄り合い」に出席する。「お役」という村総手で草刈りをする。お葬式があれば、一緒に準備をする。気がついたら私は村の「家族」になっていた。
山の中とは言え今日は暑い。エンジン草払い機を置き、一休みする。山の中の日は早く沈む。山向こうにある日が雲に反射し、金色の光が私の周りを照らす。この一瞬に出会えることがとても愛おしく感じる。「自分」という表面をもった殻はゆっくりととけ、放たれていく。

鶏舎小屋を改造しているところ

鶏舎小屋を改造しているところ

大地の芸術祭

2008年 8月 5日

妻有のごはん

妻有のごはん

7月4日(金)に妻有に行く。当地では大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレという現代美術の国際的な祭典が行なわれている。やさしい美術プロジェクトは前回のトリエンナーレ2006に参加し、現在次回のトリエンナーレ2009に向けて準備を進めているところだ。
この日、各地集中豪雨の影響で、公共の足にも遅れが出たが、午後1時頃到着。現地は曇りで名古屋と同様蒸し暑い日だった。まず、アートフロントギャラリーの柳本さんの案内で空家を見学。柳本さんは前回のトリエンナーレから私たちのプロジェクトの担当をしていて、現地での様々な調整をお願いしている。午後4時。十日町市観光交流課の春日さんが加わり総勢4名で新潟県立十日町病院に行く。そう、今回の妻有行きには大きな目的がある。それは「次回のトリエンナーレ関連事業としてやさしい美術の活動を十日町病院との協働で行ないたい」という意志を伝えることである。
さて、緊張しつつ十日町病院に入っていくと、前回のトリエンナーレでお世話になった、事務の井沢さんが笑顔で迎えてくれる。「待ってましたよ。どうぞ、院長もお待ちかねです。」井沢さんの案内で院長室に行くと、満面の笑みで塚田院長が迎えてくれる。院長は人柄も大きいが体格も立派で、ほんとに大きな人。久しぶりの再会で顔を合わせたその一瞬でたくさんの会話をしたような充実感で胸が熱くなった。

病院の皆さんに次回トリエンナーレに向けての提案を行なう。この日、協働プロジェクトを再開することを即答いただく。十日町市の春日さん、アートフロントギャラリーの柳本さんも緊張が解けたのか、終始笑顔が絶えない。記念すべきスタート。
そして、8月8日(金)にこれからの運営方法を話し合うため、私たちは新潟県立十日町病院に行く。