Nobuyuki Takahashi’s blog

2008年 8月 21日のアーカイブ

シンポジウム準備

2008年 8月 21日

11:00 スタッフの伊東と二人で同朋大学に向かう。シンポジウムのパネラーをお願いした田代俊孝教授に会いにいくためだ。
まず、シンポジウムについて。やさしい美術プロジェクトは平成19年度に文部科学省現代GPに採択され、申請書の事業計画にはシンポジウムの開催を盛り込んでいる。やさしい美術の取組みは医療、福祉、美術、デザインなどのいくつかの領域にまたがり、社会や地域との連携も深い。こうした定型化しがたく、いまだ社会的に 位置付けがされない活動は、これからどのような可能性を切り拓いていくか。様々な視点で考察し、議論していく機会がこのシンポジウムの目的である。昨年より、基調講演者やパネルディスカッションのパネラーを探すリサーチを重ね、ようやく人選が決まった。田代先生は先月にパネラーの一人として出席していただくことを承諾いただいたのだ。
あらためて田代先生にパネラーをお引き受けいただいたお礼とシンポジウムのねらいをお話しする。田代先生はホスピスでのカウンセリング、真宗学(親鸞上人の教え)をもとにしたデスエドゥケーションや生命倫理に長年とりくんでおられる。「死そして生を考える」というテーマには重さとそして前向きさが同居した響きを感じる。
「がんになったらがんのまま死んでゆく。」「人のいのちは長ければ良い、とだれがきめたのですか。人の一生の長さは誰も決める事ができないのです。」という田代先生の言葉が印象にのこる。「宗教の力は本来、お守りなどの神頼みには本質はありません。病気になったら病気である自分が気付ける事に気付き、人生の儚さとすばらしさをありがたくいただく。そうした価値観の転換が宗教の力です。」
では、医療の現場には今、何が必要なのか。美術と宗教には重なるところが多いと直感した。
シンポジウムでのディスカッションを楽しみに。