Nobuyuki Takahashi’s blog

2008年 12月 14日のアーカイブ

質感

2008年 12月 14日

この煙は粒子で表現するべきかー

この煙は粒子で表現するべきかー

社会の中で、皆が納得し、了解できること。それは必然的に「制度」となって世界をパズルのように切り分ける。その努力は必要だ。やるからにはパズルのピースを欠かしてはならない。私たちは世界の外から見ながら、世界の一部であることをつかんでおかなければならない。ずっとずっと、その営為は続き、これからも続く。
私たちの棲む世界をパズルに喩える。つなぎ合わされたパズルの上から石膏を流し込むと、世界の雌型を象る事ができる。そこには平滑な面にピースの切断跡が毛細血管のように顕われるだろう。
私たちアーティストの仕事はこのようなものだろう。説明のつかない、喩えようのない「質感」の型。
シンポジウムで林容子氏は「アートは社会の毛細血管」とおっしゃった。時には皮膚を鋭利な刃物で斬りつけて、血がにじむことを実感しなければ、この「毛細血管」に気付かない。