Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 2月 3日のアーカイブ

上と下、右と左

2009年 2月 3日

私たちの世界の把握は上下、左右で語られる。
文字は日本語の場合、縦書きは上から下へ、横書きであれば左から右だ。
考え方を右と左に喩えることがある。右派、左派…。
時間軸は左から右へ、時として右から左へと記述される。歴史年表などがそうだ。
少し前に流行ったが、私たちの脳は右脳、左脳があり、その役割がやんわりと分担されているらしい。言語や論理的思考を司る。感性、直感的思考を司る。文化や言語、国が違うと、微妙に右と左の役割は違うと聞く。
日本の伝統的な絵画表現は上が遠景、下が近景となる。一視点から見た焦点や距離感はあまり重要ではない。
概念を上下に喩える。上位概念と下位概念。下のものを上のものが束ねる。
上昇志向。前向きで意欲的。野望を持って上を目指すことだ。
そもそも、これら上下、左右概念は立位を基本としているように思う。上下左右の概念が届かないものがある。
円、放射…。それに近いものとして正方形や正多角形がある。病院で過ごす方達の身体感覚、視覚体験は通常とは異なる状況を伴っていると私は考える。私だけではない。これまでプロジェクトに関わり、作品を制作した学生や作家は円、放射、正方形を感覚的に取り入れていた。
もう1つ大切な感覚がある。それは奥行きだ。前後。時間は会話内で「前」と「後」と言う。自分の正面の前に広がるのは現在の繰り返しだ。人によっては未来という。背後を振り返るとそこには過去が横たわっている。
「話の上下が〜」と話したメンバーがいる。すごい。彼女は異次元を行き来している。
その時は笑い話だったけれど、私が最近ぶっとんだ、異次元体験のお話。