Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 2月 8日のアーカイブ

足助アサガオの嫁入り

2009年 2月 8日

懇親会でのワンショット。ぶれていますが…。

懇親会でのワンショット。ぶれていますが…。

2月6日から7日にかけて、新潟県十日町市(妻有地区)に行く。
毎月一回、十日町病院で行なう研究会と、空き家プログラム「やさしい家」の整備が目的だ。
今回の妻有行きは特別である。スタッフ赤塚の提案から始まった、「足助アサガオの嫁入り」のため、足助病院から看護部長の大山さん、リハビリテーションの鈴木さんお二方が「顔合わせ」のために十日町病院を訪問するのだ。
足助病院のリハビリテーション施設にアサガオが植えてあり、患者さんの心を元気づけている。その、足助に咲くアサガオを十日町病院にも植えて、花を咲かせよう、という企画。アサガオが十日町病院に嫁入りするだけでなく、それをきっかけに地域、施設主体や経営基盤などを越えて、交流して行こうというものだ。
このような交流を確固としたものにするためには、新しいことへの予感や期待、そして突き動かされる気持ちがなくてはならない。
今回はやさしい美術は二手に分かれ、名古屋から私たちはいつものようにレンタカーで出かけて、スタッフ平松は足助病院職員さんお二方と同行するため、新幹線に同乗。出発の前日には十日町病院職員さんから連絡があり、「越後湯沢まで、お迎えにあがります。」こうした、ひとつひとつの心遣いが歯車となってかみあって行く。期待が高まる。
14:30先に学生たちを十日町病院に降ろし、私はさらに車を走らせ松代まで空き家の鍵を借りに行く。
15:30病院に着く。私が着いたときはすでに十日町病院職員さんとやさしい美術スタッフ二人が足助病院職員さんをお連れして院内を見学してまわっているところだった。
施設見学の後、応接室に勢揃いして「顔合わせ会」が始まる。お互いの名刺交換があり、足助病院からは足助アサガオの成り立ちを足助屋敷製作の和紙に綴った手作りの説明書が手渡される。両病院とも終始笑顔が絶えない。お見合いのような、気恥ずかしくも、華やいだ、場となった。皆さんのおかげである。じわりと感動に包まれる。
研究会では試作品の検討、展示場所の検討、新しいプランの提案などが続く。足助病院の鈴木さんからは映像を投影しながら足助という地域、足助病院、地域文化のプレゼンテーションがあった。映像も説明もとても準備が行き届いていて、私たちとしてはうれしいを通り越して恐縮してしまった。研究会に参加されている十日町病院職員さんから感嘆の声があがる。こうした一瞬一瞬が奇跡だ。きらきらしている。
研究会ののちは恒例の懇親会だ。その席で看護部長の大山さんから次のようなコメントがある。「十日町病院の建物の立てられた時期は足助病院と同じ時期。病院に入った瞬間にとてもよく似た雰囲気を感じ、親近感を憶えました。このアサガオをきっかけに、交流が始まればと思います。」足助病院と十日町病院には共通点が多い。私個人の印象だが、足助病院の早川院長と十日町病院の塚田院長の両病院長にもとても近いものを感じている。お二方とも医療者としての大きさを感じつつも、とても気さくで、かつ創造性とやさしさにあふれている。
夜は私と3人の学生、1人の卒業生5人で空き家「やさしい家」に泊まる。(他のメンバーはホテルに宿泊)5人でこたつを囲み今日あった出来事を振り返り、語り合う。語り合う皆の息が白い。途中で買ったアイスクリームはいつまでたっても溶けない。寒くても心はあったまっている。
7:00起床。しばらく経つと空き家の障子に朝日が差してくる。雪囲いの板のため、ストライプとなった陽の光はかっこいいデザインのようにきまっている。こうした光景をしっかりと記憶しておきたい。
9:20十日町駅から足助病院職員のお二方を私、スタッフ平松、スタッフ赤塚で見送る。「今度は足助でお会いしましょう。」
3月には十日町病院の院長をはじめ、職員さん何名かで足助病院を訪問するという話があがっている。もし実現すれば、これほどうれしいことはない。名古屋のおいしい食べ物もたくさん紹介したい。あそこにもここにも連れて行きたい…。物理的な距離は心のつながりで乗り越えることができる。遠距離恋愛のはじまりだ。