Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 4月のアーカイブ

生き物であること

2009年 4月 8日

3月末から我がプロジェクトルームの入り口近くにつがいのツバメがやってきた。彼らは近くを通り過ぎる私たちがいても一向に逃げる気配がない。
仕事をしていて、気がつけば日付がかわっている。お手洗いに行く時に、ふとツバメに目をやると、彼(彼女?)と目が合う。ツバメがどきっ、と身を硬直させたのがわかった。目をむいたのが感じ取れた。
生き物の反応は皆同じなのかもしれない。私が疲れているのかもしれないが、ツバメに「人」を感じたのは、同じ生き物である証拠だろう。
どこかに「私」とか「ツバメ」とかそんな括りではない、「いのち」という視点があるに違いない。けれど。

手のひら

2009年 4月 7日

美朝。君のそのちいさなちいさな手でほおを撫でられると、包まれるような気持ちがする。
慧地。君の手は何事もはね返すような石の礫を感じる。
まだ2歳というのに その母性に吸い込まれそう。
まだ6歳だというのに そのロック魂にあたって痛いぐらい。
不思議だ。生まれてから、生まれる前から男と女は違う。

大島 電話

2009年 4月 2日

今日は朝からコースガイダンスの準備に追われ、夕方4時までぶっ通しでガイダンスを行なう。
今日は新しい研究室職員鈴木が初出勤。研究室全体がフレッシュな空気につつまれる。
16:30 デザイン集団でんでんとミーティングをする。よりプランを現実に則して練り上げて行く。
19:00 ミーティング終了。時間はかかったけれど、それぞれのプランは前に進んだと思う。
これらの慌ただしい中で、24日、25日の大島行きとツーリズムの顔合わせ会の日程、時間調整を行なう。大島青松園の事務長森さんが定年退職されたため、新しい事務長が配属になるが、まだ引っ越しが完了せず、アポイントが取れない。それならばと、自治会事務所の方へ電話を入れてみた。自治会長さんは留守だったため、ご自宅の方に始めて電話してみる。すぐに朗らかな自治会長さんの声。24日の都合は良いとのこと。続いて元自治会長で陶芸で腕を振るっているCさんに電話をしてみる。Cさんも都合がつくとのこと。最後に写真を撮っているBさんに電話をする。BさんもOK。ひとつ心配なのはBさんが最近自転車を運転中転倒して怪我をしたとのこと。入所者の皆さんはもちろん完治されているが、ハンセン病の特長的な後遺障害に末梢神経の麻痺がある。それだけに怪我をした際は通常より大きな怪我につながることが多いと聞いている。とても気がかりだ。
今までは事務長森さんに入所者のみなさんとの面会などの約束を取り付けてもらっていたが、私が今日は電話で直接お話しして、相談した。入所者の皆さんはどのようにお思いかわからないけれど、自然に電話でお話しできて、うれしかった。

年度末最終搬入と年度始め

2009年 4月 1日

さて、今日から平成21年度の始まりだ。スタッフもメンバーも気持ちを新たに前に進もう。
昨日31日、年度末最後の小牧市民病院の作品を搬入した。年度内に予定していたすべての作品が届けることができなかった。私のディレクションの至らなさだ。
小牧市民病院は500床を越える都市部にある典型的な大病院だ。一昨年まで病院内に設置されていた「癒しと安らぎの環境整備プロジェクト委員会」は様々な部署から医療スタッフを中心に10〜15名で編成されていたが、始めての研究会の場で医療スタッフ同士が挨拶していたのが印象的だった。それほど、多くのスタッフが小牧市民病院で働いていて、各セクションの交流がない、ということを示している。
昨日、スタッフ泉と1年を振り返って話をした。私たちが作品や搬入に必要な道具を一通り抱えて病院に入っていくと、すれ違う職員さん、医療スタッフの皆さんから笑顔と挨拶が返ってくる。5年間の取組みの積み重ねによって、私たちの顔を憶えてもらうということにつながった。
繰り返すこと、続けることが、何気ない自然な反応で私たちに返ってくる。
うれしい。自分の存在を確かに感じる。今までやってきてよかった、そんな充実感に包まれる。
やさしい美術プロジェクトの活動のバネになっているのは、こうした充実感なのだ。