Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 5月 5日のアーカイブ

つながっちゃった

2009年 5月 5日

雨がしとしと。でも決心はかわらず、小原のスタジオへ草刈りに行く。名古屋市内から1時間程、小原のスタジオチキンハウスに到着…。小屋の周りが???まるでユンボが入ってきてそこら中の地面という地面を穿り返したような様相が。
いのししである。春の竹の根を食べにきたのだ。鶏小屋のほうは凄惨な光景。地面に爆薬を仕掛けてふっとばしたような状態だ。足場が悪いので注意しながらエンジン草払い機でかたっぱしから刈り込む。笹竹が鬱蒼としている中にぎゅいんぎゅいんと切り込む。蔦がからんでくるので、そう思ったように作業がはかどらない。防護眼鏡が汗で曇る。なかなか重労働だが、田舎の人は毎日やっている。
私が小原村に移り住んだ頃のこと。エンジン草払い機など持ち合わせておらず、お金もない。かといって下草を刈らねば、自分の住処はうもれてしまう。時間があることをいいことに、鎌一本、のこぎり一本で下草と竹に挑む。1日100本は竹を切ったと思う。下草は鎌で追いつかず素手でむしり取った。一月経ったある日。一月前に刈った場所を見るともうすでに草が生えて青々としている。なんたる生命力。己の力の至らなさを感じたが、同時に人間一人の力とはこのようなものだ、と妙に納得したのを憶えている。
さて、草刈りを終え、スタジオチキンハウスを出発。山を下った国道沿いの豆腐店に行く。有名店で、遠くから買い付けに来る人もあるときく。私が小原村に住んでいるころは毎日ここで豆腐を買い、自生している山椒の木から葉をちぎり、手のひらでぱちんっと張って豆腐にトッピングした。山の香りと清水でつくられた豆腐。最高かつ安上がりな贅沢だった。そんな想い出を胸に、実家と私の家族用に豆腐を買う。
豆腐を買った後はすぐとなりの郵便局へ。発達センターちよだで昨年度までスタッフをしていた井木が実は小原住民なのだ。私が草刈りで小原に出るということで、会期がせまっている「どんどんだんだん」展の打ち合わせを小原でやってしまおうということになった。小原では数少ない喫茶店でコーヒーを飲みながら打ち合わせ。展示の詳細を決めて行く。打ち合わせがひととおり終わった後、井木のほうから、彼女が参加している現在展示中のグループ展の案内状を渡される。見てびっくり!その会場となっているカフェは私の自宅に近いこともあるが、今日私の奥さんが友人に誘われてランチしに行った、その場所だったのだ。もちろん奥さんはそんなことは知らず、見に行っているはずだ。
世の中はとても狭いのである。