Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 7月 4日のアーカイブ

大島 オロナミンCと焼き物

2009年 7月 4日

入所者の作品、かぼちゃをいただく。

入所者の作品、かぼちゃをいただく。

ぐっすりと熟睡。井木は朝早くから浜辺で流木拾いをしてきたとか。私は8:00近くまで寝ていた。
8:00 朝食。
8:30 青松園福祉課で働くAさんが面会人宿泊所に来てくれる。勤務時間外で私たちの活動につきそっていただいている。
9:00 大島内の古い建物は今は使われなくなった面会人宿泊所や厚生会館などの建物を見て廻る。その後は大島北部の山間に行き、畑作業をしている入所者の皆さんに会いに行く。大島で大切に育てられた野菜も大島の表現。それらを作品として発表するための取材だ。
お二方の入所者にお会いすることができた。畑に出て野良仕事をしている入所者の皆さんは社交的でとても明るい。ある入所者の方からオレンジ色のカボチャをありがたくいただく。
お菓子づくりの名人と言われる、入所者の方にもお会いする。まずはごあいさつから。その後は昔から大島でできた野菜から漬け物を作っていた入所者の方からもお話を聞く。昔は高さ5mもある漬け物樽に漬け物を漬けていた時代もあったそうだ。そう、漬け物も私たちの活動、作品の一つとなる予定だ。
道ばたで、陶芸クラブの一人である入所者の方とごあいさつする。午後は時間があるとのこと、お宅にお邪魔してお話を聞くことになった。

職員Aさんの即席ぶっかけうどんは最高!

職員Aさんの即席ぶっかけうどんは最高!

お昼になり、一旦面会人宿泊所に戻る。今日の昼食は福祉課職員のAさんがうどんをごちそうしてくれるとのこと。何から何までお世話になりっぱなしだ。地元の皆さんは冷凍麺を良く食べるとのこと。さっと湯がいてめんつゆを文字通りぶっかけて生卵を落として出来上がり。これがめちゃくちゃうまい!大島で食べたうどんはまた格別だ。
13:00 福祉課職員Aさんとお別れして、午前にアポイントをとった入所者のお宅に向かう。
廊下から入り、「ご免下さい。」と引き戸を開けると、部屋奥の縁側で外に目をやるMさんの姿があった。時間になってじっと外に目をやり、私たちを待っていてくれたのだ。胸がきゅんと締め付けられる。
ベッドには数点の陶芸作品が置かれている。これまで制作した作品のなかでも気に入ったものをとってあるらしい。なかでも瑠璃色の壷がひときわ目につく。作品名は「深海の語らい」。すばらしいネーミングだ。入所者の生活についてや陶芸クラブの想い出を聞く。数日間霧の影響で高松から船が出ず、寂しい想いをしたというお話を聞き、その時の入所者の皆さんの心情を想像する。家族から断絶され、人知れずここ大島に連れて来られたMさん。どれほどさびしかっただろう。
Mさんはとてもチャーミングな方だった。作品にお人柄が出ている。山本さんの作品は豪快で力強い。Mさんと一緒に病院内のリハビリに隣接する陶芸室に行く。ここでしばらく陶芸論をうつ。Mさんはとても楽しそうだった。私たちもその表情を見てうれしくなってくる。本当に楽しい語らいの時間。
私たちは美術作品を制作して行くが、このようなひと時を作品や企画を通して実現できるかが、これからの課題となる。私たちだけでは、島を公開する意味は半減する。
Mさんと再会を約束してお別れする。「お話を聞いてくれてありがとう。」とおっしゃるMさん。とんでもない、私たちが感謝する方だ。ちょっぴり切ない気持ちになる。
面会人宿泊所に戻り、荷物を整理する。
今回の大島訪問により、プロジェクトは大きく前進することになった。いよいよ、具体的に動いて行くための計画、準備、制作が始まる。身体の芯から力が漲る。

入所者Mさん宅にてオロナミンCをいただく。

入所者Mさん宅にてオロナミンCをいただく。

作品「深海の語らい」

作品「深海の語らい」

大島に咲く花も作品となる。

大島に咲く花も作品となる。

大島から矢竹島をのぞむ。

大島から矢竹島をのぞむ。