Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 9月 10日のアーカイブ

妻有 最後の夜

2009年 9月 10日

足助アサガオは隙間なく咲いている。

足助アサガオは隙間なく咲いている。

私は大学の学務のため、明日、11日(金)に名古屋に帰らなければならない。大地の芸術祭は13日(日)までだけれど。
終盤を迎え、やさしい家にはまだまだたくさんの人がやってくる。
ある精神科の病院で働く看護師さん二人が朝一番にやってくる。院内の展示の様子をお話ししていたら、「こういうものが病院内のいたるところに展示されていると良いですね。」とおっしゃる。玄関まで見送りに行き、ヤサビのイトとリーフレット、えんがわ画廊新聞を手渡し、「ホームページがあるので、見てください。」とお話ししたら「見てますよ。」とほっこりした笑顔が帰ってきた。私たちのうかがい知れぬところで少しずつ広がっているやさしい美術の輪を感じた。
FMとおかまちの佐藤さんが今日は仕事の休みということで、やさしい家に来てくれた。「次の大地の芸術祭でお会いできたら良いですね。」とおっしゃる。えんがわ画廊のアーティストがヒッチハイクしたのが、たまたま佐藤さんの車だった。そこから始まった出会い。偶然と言えば偶然。でも律儀にこうして時間をつくって私たちに会いにきてくれている。縁とはこういうものだろう。とってもうれしい。
居酒屋のマスターが娘さんを連れてやさしい家に来てくれる。今日は娘さんの誕生日。明日からおばあちゃんのところへ泊まりがけで遊びに行くとのこと、フィナーレを迎える前に私たちに会いにきてくれた。「瀬戸内国際芸術祭、行こうと思っています。」とおっしゃる。「その時は連絡下さいよ。島で会いましょう。」この妻有でのつながりはとどまるところを知らない。もちろん、私はこの十日町に来たら、行きたいお店は決まっている。マスターのお店。
近所の方々が観にきてくれる。ひとり一人にごあいさつ。やさしい家には一時期常連の子ども達がMorigamiを折りに毎日来た。私たちはMorigamiガールズと呼んでいた。「子どもたちにやさしく接していただいてありがとうございます。」とおっしゃる。いやいや、とんでもない。子どもたちが来て、このやさしい家は「家」になっていったのです。感謝です。

ジャガイモとささみ肉の炒め物

ジャガイモとささみ肉の炒め物

やさしい家をクローズして間もなく、私は台所で夕食を作っていたが、玄関から声がする。病院の職員さんが3人が顔を出してくれた。病院の作品に接し、ここやさしい家で観る作品はとても新鮮に目に映ったようだ。若手の職員さんがこうして興味を持って観にきてくれることがとてもうれしい。それに、でんでんがヤギの被り物をして一生懸命配った「招待状」の効果なのだ。二倍うれしい。
夕食はジャガイモと鶏肉の炒め物。ジャガイモは短冊状に切って、しゃきしゃき感を残して炒める。鶏のささみは醤油とお酒につけて下味をつけておいて、カリッと炒めておく。最後にお酢と醤油で味を整えてできあがり。
浅野がいただいたゴウヤをスライスしてサラダを作ってくれる。私がカレーパーティーの時に作ったピーナッツのたれをかけてみたら、これがビンゴ!とってもおいしかった。
汁ものは私が大好きなエノキとタマネギのみそ汁。作った自分が言うのもなんだけど鍋から直接飲み干してしまいそうなほどおいしい。ほとんど病気だ。
23:00 卒業生浅井がやってくる。豆をミルにかけてコーヒーを入れてくれる。香りがたってとってもおいしい。
最後の夜はこうして更けて行く。さびしさとほどよい疲労感がおそってくる。
2:30 就寝

50日経ったのれんは全く色あせていない。

50日経ったのれんは全く色あせていない。