Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 9月 16日のアーカイブ

プロジェクトとは

2009年 9月 16日

ディスプレイの試作品

ディスプレイの試作品

私の運営する交流造形コース、メディア造形コース(現行:アートプロデュースコース)の3、4年次の有志で名古屋市名東区星ヶ丘にある「デザインの間」ディスプレイプロジェクトを進行中。
今日はそのデザインの間を経営している中部電力の社員さんらが制作状況を視察に来ることになっている。
残念ながら、まだ企業とタイアップして行うプロジェクトの重みを学生達は理解していない。そのことを伝えるには、言葉でなく、体感するしかない。だからこそ、社会的使命を帯びる、プロジェクトの教育的意義がある。
インターンシップを体験してみたい、社会とつながって勉強したい、と言う者はたくさんいる。しかし、実際に動き出せば、「ゴッコ」では済まされない。楽しい、気分がいい、やってる気がする、なんてことでは困るわけだ。そうした気持ちになってもらうプロジェクトだとしたら、それはプロジェクトのその先にある人々や地域や社会に届かない、閉じた遊戯である。
正当な理由として「気分が乗らない」からできない。「飽きたから」やらない。そんなことがまだ罷り通っている。それではどこまでいっても自分の問題から抜け出せず、自分の中で完結することになる。「何も起きない」「何も変わらない。」「何もできない。」という結果だけが影を落とすだけだ。そのことに気づいて欲しい。
プロジェクト型の授業とは逆治療法なのかもしれない。教員である私が口を酸っぱくして言い続けても見向きもされないことが、実際に社会で働く人々と接し、一緒に働くことで、がつんと体感させられるのだ。言い訳はいらない。やるかやらないか、それだけ。
やさしい美術プロジェクトには10〜20人、多い時で30人ぐらいの学生が、「福祉に興味があります。」「アートやデザインで役に立ちたいんです。」と言って説明会にやってくるが、最終的にメンバーとして活動するのは3〜4人だ。人にあえて話すこともない自分自身の問題意識と向き合い「自分に何ができるのか。」と行動に移しているメンバーと「興味がある。」と言う人の差は実はとても大きい。