Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 9月 22日のアーカイブ

何かつかんだのなら、教えて欲しい

2009年 9月 22日

9月3日、4日、5日の大島での活動がようやくブログにアップできた。内容が濃くてなかなか書けなかった。申し訳ないです。ご一読下さい。

後半の滞在で力みが抜けたスケッチ

後半の滞在で力みが抜けたスケッチ

さて、18日の足助病院へ行く車中でのこと。メンバー浅野と妻有での様々な出来事を振り返っていた。
12日の十日町病院での活動報告会は私は学務で出席できなかったが、川島、赤塚の二人でしっかり発表してきたようだ。その前日、川島と浅野は活動報告会で何を話すかを綿密に打ち合わせていたそうだ。川島が「この大地の芸術祭期間中で制作をし続け、何をつかむことができたのか。」という質問に、浅野はこう答えたそうだ。「毎日毎日、病院内で人々とコミュニケーションをとりながら、スケッチを描くことを続けた。病院周辺を歩き回り、地域住民の方々に声をかけてスケッチを描かせてもらった。実は毎日、辛くて苦しかった。でも、その日々を振り返り、自分が何をしてきたのかと考えると、それは 患者さんやその家族と会話をしている時に一瞬目を輝かす、表情が輝く瞬間がある。その一瞬に巡り逢い、それを描き留めたかったんだとわかった。」それが判った瞬間。涙が自然とあふれて来たと言う。
自分自身で選んだ道を貫き通すのは、気分でわがままを通すのとは全く違う。一度決めた道のその先にある何かをつかむまで、辛くても苦しくても前に進まなければ、何もつかめない。そこを通り抜けたからこそ、目標が見えることもあるのだ。浅野は確かにつかむものがあったのだろう。それはほんの入り口で、その自分でつかみとったものをさらに先へつなげて行くこと、持続すること。さらに深く探求することは、もっと難しいことだ。一夏の想い出で終わらせないで欲しい。