Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 10月 1日のアーカイブ

逸脱の逸脱

2009年 10月 1日

美術の歴史は逸脱の歴史とも言われる。それまでの本筋である流れから外れ、はみ出すということである。逸脱したことを「〜ではない。」「〜というわけではない。」「〜とは違う。」といった言葉で説明する。消去法的にそぎ落として行った結果、どこにもない、なにものでもない何か、が顕われる。
私の個人的な経験では、作り手として自分の呼吸している時代、内なる声に耳を傾けてすなおにそのままを生み出せたらと思っている。自分の進もうとしている道が逸脱のルートに乗れるかなんて、だれもわかるはずもないのだ。戦略的な逸脱、予定通りの逸脱は逸脱ではない。逸脱の歴史はいつも結果論だと私は思っている。
今、自分はどこを歩いているのだろう。逸脱ルートの1つに数えられるのか、否か。それは20年後、30年後にならなければわからない。