Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 11月 20日のアーカイブ

大島 ツーリズム準備

2009年 11月 20日

高橋、泉、井木の大島チームが名古屋駅に集合。いつものごとく7:37ののぞみに乗り込み、岡山を経由して高松へ。今回は二泊三日のため、高松駅横のスーパーマーケットで食材を買い出しし、11:10の官用船に乗船する。
11:30 大島着。満ち潮の大島は船上から本当に浮かんでいるように見える。晴れ渡る青空が美しい。明日も同じように晴れて欲しいと願う。というのも、今回の大島行きは明日実施するツーリズム「名人講座」という大きな目標を掲げているからだ。「ツーリズム」とはもともと、シブヤ大学(学校法人とは異なる、生涯教育を地域住民のネットワークで行うNPO)が行っている研修授業である。実はツーリズムを大島で6月に行う計画があったがインフルエンザの流行で延期になってしまった。10月に入り、再度ツーリズムの1つに大島を組み込みたい、という申し出があった。今回主体的に動いたのはNPO法人アーキペラゴ。シブヤ大学は東京が本拠地ということもあり、加重をアーキペラゴに移し、行政からも受託している瀬戸内海の活性化のために一肌ぬいだかたちだ。私に相談があった頃にはやさしい美術プロジェクトの大島での活動が進み、「つながりの家」構想が動きつつあった。
「つながりの家」構想の中に、「大島が表現する」という要素を大きく取り上げている。ハンセン病療養所の歴史、入所者の暮らしを「表現」として、世界に発信するということだ。大島を知ってもらい、入所者と接しながら大島の表現を受けとれるような場を作らなければならない。それが、ギャラリーであり、名人講座であった。
名人講座は来年の瀬戸内国際芸術祭で実施する。今回のツーリズムは名人講座のプレイベントでもあるのだ。
説明は長くなったが、明日行うツーリズムは来年を占う重要な位置付けであることを心に留めておいていただきたい。
13:00 昼食を済まし、まずは入所者自治会に行く。施設見学を担当いただく自治会副会長の野村さんとちょうどお会いすることができた。簡単な打ち合わせをしていると、入所者の山本さんがやってくる。山本さんには陶芸を担当いただくので、下準備も含め細かく打ち合わせる。
14:00 陶芸室に向かう。必要な道具類を棚から出して来て作業机に並べる。大島土は土練機を通しただけなので、皆で手分けして土練りをしておく。本来は土練りも体験して欲しい過程だが、準備時間を短縮して制作に時間を割くことにした。
15:30 作業を終えて面会人宿泊所に戻る。写真のワークショップを担当いただく脇林さんに電話し、17:00に第三センターにあるご自宅で打ち合わせすることになる。それまでの時間を自由時間とし、私は浜辺に出て写真撮影をしようとしていたところ、青松園の職員さんに声をかけられる。事務長さんや福祉室室長さんらとでギャラリーとカフェの改装について打ち合わせたいとのこと。日が短くなった昨今、脇林さんとの約束もあるのですぐに現場検討に入る。
17:00 不自由者棟と呼ばれるセンターに行く。脇林さんのお宅にあがるのはこれで2回目。明日の写真ワークショップについて打ち合わせる。シャイな脇林さんが初対面の一般訪問者にどのようなお話をするのか、今から楽しみだ。
18:30 職員食堂に行く。食事をしながら、青松園の職員さんと大島についての意見交換をした。大島で働いている人たちが日々どのようなことを感じているのか、私は知りたかったし、その職員さんもどのような思いで働いているのかを知ってもらいたかったとおっしゃった。大島には様々な暮らしがあり、思いが折り重なり、それぞれの営みが織り込まれている場所だ。更けていく夜、じっと耳をすまし、大島の暮らしに思いを馳せる。

ギャラリー15寮の上を飛び回る鳶

ギャラリー15寮の上を飛び回る鳶