Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 1月 22日のアーカイブ

搬入丼

2010年 1月 22日

10:00〜会議。
11:00 レンタカーを借りに大学を出る。今日は足助病院へ作品の搬入とすでに展示している作品のメンテナンスに行く。
12:10 プロジェクトルームに集合。荷物を手早くレンタカーに載せる。リーダーの古川、木谷、芳賀の3人が今回の足助行きメンバーだ。古川は内科処置室に展示する作品を搬入する。シリーズ3作目だ。木谷は今回始めての搬入。現場での検討も重ねて来た作品なので展示が楽しみだ。芳賀も?クッション(はてなクッション)を搬入。リメイクを繰り返し、完成度もあがっている。

メンバー木谷の作品搬入

メンバー木谷の作品搬入

13:30 足助病院に到着。早速作業にとりかかる。内科処置室の展示替えを最初にと考えていたが、患者さんがベッドで点滴をしているため、看護師さんに2時間後に来るように言われる。木谷の作品の搬入、芳賀の作品入れ替えを先に進めて行く。
木谷の作品は薄暗い階段に窓枠を模した絵画作品を展示し、開放感を創出するものだ。階段を登る人々を元気づけるように登った先の踊り場の壁面に展示して行く。なかなか良い感じだ。絵画作品は窓枠だということをあらためて認識させられる。3点ある作品の描かれている風景がまたユニークである。というのは一点はイタリア、そして2点目は台湾、3点目が日本の風景。足助病院の階段が「どこでもドアー」状態なのだ。通りがかる看護師さんが口々に感想を述べられる。リハビリの一環で院内を散歩しているある患者さんに各地の風景の説明をしたら、「じゃ、今度は逆回りで散歩しながら(作品を)見てくるよ。」とおっしゃる。これには作者の木谷もうれしそうだった。やさしい美術の醍醐味を知ったね、ダニー。

メンバー竹中の作品メンテナンス

メンバー竹中の作品メンテナンス

内科処置室での作業までにまだ時間がある。階段にて展示しているメンバー竹中の「薫るhikari」のメンテナンス作業をする。随分埃がたまっているので上から順に埃を落として行く。
16:00すぎになってようやく内科処置室に入る。実際に使われている検査室や処置室に入っての展示作業は緊張する。患者さんが横になっているすぐ傍らで粛々と作業を進めることができるのは病院の皆さんに信頼していただいているからだ。古川はそのプレッシャーに負けそうになった時期があったが、今ではすっかり立ち直って作品を次から次へと生み出している。
前作の天翔る鯉を撤去し、新たに作品を設置する。設置方法も2、3度の失敗を経験し洗練されてきている。それを手伝う木谷、芳賀のフットワークも少しずつ機敏になってきている。洗練されたのは設置のプロセスだけではない。光を透過する絵画にフィットする描画法が暗中模索の中少しずつ板についてきている。本人はあまり気づいていないかもしれないが、そこそこの大きさの画面を自分のものにしつつあるのだ。透過度と色彩の関係、透過光と見やすさの関係はどこまでいっても難しい。陽の光が移ろい行くものなので常に同じ条件で観てもらうことができない。裏を返せば、「うつろいゆく日差しを呼吸する絵画」を開発しているとも言える。前作でできなかったことを今回の作品にしっかりと反映している。このひたむきさがアーティストの成長を促すのである。継続の勝利だね、古川くん。
途中早川院長と雑談。「日本は高齢化を前向きに捉えて技術と知恵で乗り越える力を持っている。」というお話に木谷も芳賀も目を輝かせる。
20:30 すべての作業を終わらせ、足助病院を出発。途中で牛丼を食べに寄る。搬入ラーメンならぬ、「搬入丼」(※注釈)は最高。
24:30 帰宅。
※搬入丼:作品の設置で搬入欲を満たした人だけが今度は食欲を満たすという儀式の一種。メンバー竹中の搬入丼は伝説となっている。命名はスタッフ井口。

メンバー古川の新作はクオリティが高い。日中の光が透過している状態を早く観たい

メンバー古川の新作はクオリティが高い。日中の光が透過している状態を早く観たい

前作は売店前に再展示する

前作は売店前に再展示する

メンバー天野の作品補充

メンバー天野の作品補充