Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 2月 6日のアーカイブ

大島 かんきつ祭の前に製麺所

2010年 2月 6日

名古屋駅に着き、ホームに出ると外は吹雪いていた。何度か雪の影響で新幹線が遅れたが、今日はもっと遅れるかもしれない。7:30ののぞみに乗り込む。車内放送で30分遅れる、とのこと。岡山でマリンライナーへの乗り継ぎは無理。28分遅れで岡山着。マリンライナーは10:00ごろの出発になる。
10:55高松に着く。先乗りしている井木と泉に食材の買物を頼まれていたので、11:00の船はあきらめる。
さて、次の船まで時間ができてしまった。たまった仕事をしようと思ったが、パソコンをつなぐ電源がない。私のノートパソコンは4年使っているのでバッテリーがへたっている。諦めて、というか、気分を入れ替えて、レンタサイクルで自転車を借り、とある製麺所までひとっぱしり。その製麺所は工場の片隅にある職員食堂といった趣き。外でどんぶり片手にうどんをすすっている人がいる。自転車は10台ほど停まっている。入り口入って両側に簡素なカウンター、真ん中に立ち食い用のテーブル。奥でおばちゃんにうどんを頼むとどんぶりにどちゃっとうどんを入れてくれる。それを自分で湯がき、だし汁をかける。隣の人と片寄せ合って立ったままうどんを食す。これがまた、あーた。ほんとにおいしい!一説には味が落ちたと聞くけれど、麺のもっちり感、のどごし、だし汁とのからみ…。
お腹がふくれたところで再び自転車にまたがり、高松駅にもどる。
食材をスーパーで購入して桟橋に向かう。
13:55 まつかぜに乗船。雪が降るほどではないが、風が冷たい。船で3名ほどの入所者と会う。皆さん顔見知りだ。船の中でわいわいおしゃべりしながら大島まで行く。波が高く船は大きく揺れたが、楽しいひとときで全く気にならなかった。
大島に着き、まずは第二面会人宿泊所に向かう。すると中からにぎやかな声が響いて来る。
そう、今日6日と7日の2日間は「かんきつ祭」と銘打って大島の柑橘類を収穫しジャムやピールをつくるワークショップを開催している。前日入りした泉と井木が準備し、こえび隊8名がワークショップに参加している。
皆で収穫してきた柑橘類を水で洗っているところだ。私の顔をみるなり皆さん気持ちのいい挨拶と笑顔が飛んで来る。なんともうれしくなる。
カフェになる予定の第二面会人宿泊所の中はすでに柑橘臭が充満している。厨房になる予定の台所にはかわいらしいポットが湯気をあげている。寒い日のはずだが、気持ちがぽかぽかしてくる。
洗った柑橘類の皮むき、皮の加工作業に入る。私も包丁さばきは自信があるので、ジャム用にひたすら蜜柑の皮を刻む。膨大な蜜柑たち。籠、段ボール7つも収穫があったそうだ。
加工作業の途中、野村さんが顔を出してくれる。テーブルと電子レンジがあるから使ってくれ、とのこと。野村さんについて行くと、つい先日亡くなった入所者のお部屋に案内される。部屋の中は使われていた時のままだ。野村さんが指差したその先には20体ほどの木彫りが目に入って来る。布袋や達磨を象ったそれらの木彫りは大切に木箱やガラスケースに並べられている。「入所者が大事にしていて、捨てられないで残ってるものじゃ。」木彫りは岡山の療養所愛生園のクラブが制作した物かもしれないと野村さんはおっしゃる。さっそくギャラリーで展示させてもらうことにする。
第二面会人宿泊所にもどり、テーブルを部屋に入れる。ちょうど、今回のワークショップの作業机に持ってこいだ。
16:00 ここで作業は一区切り。最終の高松便に乗船してワークショップ参加者は高松へもどる。
そのあと、私、泉、井木の3人で片付け作業。片付けた後は11寮に行く。
大島にはホテルは、ない。入所者に面会する、あるいは慰問で訪れた人が面会人宿泊所に泊まるのみである。私たちは繰り返し大島にやってきて、制作もして行くとなると、面会人宿泊所の使用目的に沿わなくなる。入所者の野村さんが私たちのために貸して下さったのだ。私たちはここをレジデンスルーム「野村ハウス」と名付けた。
さて、夜は食事の前に今後の運営体制や予算の使い方などを綿密に話し合う。
夜は冷凍麺のうどん。うどんづくしの1日だった。
23:00 お風呂に行く。実は入所者のお宅にはお風呂はない。共同の小さな銭湯のようなお風呂場が一件あるのみだ。私たちは、今回面会人宿泊所に泊まらないので、入所者が使うお風呂を使わせてもらう。
床暖房完備のお風呂は新しくて清潔だった。洗い場には鏡はなかった。
1:30 就寝。

泉と井木が持ってきたポット

泉と井木が持ってきたポット

休憩中に試食したジャムとヨーグルト

休憩中に試食したジャムとヨーグルト