Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 3月 3日のアーカイブ

やさしいっぽい

2010年 3月 3日

「やばいっぽいものはいらない」という日記を以前書いた。やさしい美術プロジェクトはもちろん、「やさしいっぽいもの」を目指しているのではない。「やさしい」という言葉はとても耳ざわりが良いが、「やさしい」ということを深く追求していくと、それは一体どういうことか、全く一言では語り尽くせるものではないと気付く。まず、「やさしい」ということがあるのではなく人と人が交わる瞬間、関わりの場に表れる一瞬の輝きのようなもの、かもしれない。うまく言えないが、表面的な「やさしい感じ」ではないのだ。パステルカラーに依存したり、真綿で全てをくるむようなこととは異なる、いのちを持つものが一瞬見せる全体感、と言ったら良いか…。
私は「やさしい美術」というジャンルを作りたいのではない。ある時、ある場所に接する時の体の芯から発火するような衝動を、私は大切にして行きたい。