Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 3月 8日のアーカイブ

大島焼ワークショップ 3日目

2010年 3月 8日

関わる手、手、手

大島焼の制作ペースがつかめてきた3日目、こえび隊のサポートに2度目あるいは3度目の大島の方も増えてきた。「また大島に来たい。」と思っていただくのが私たちはうれしいし、入所者の皆さんにとってもうれしいことだ。たとえ効率が良くなくても、できるかぎり多くの人の手、それも心のこもった手が関わることがこの大島での取り組み「つながりの家」構想の大切なところだ。
陶芸室の4人は役割がうまく連携している。彼女らの話では陶芸部では各々が好きな時に好きなだけ制作しているそうで、今回のように期間限定、制作数(ノルマ)が決まっていて合宿のように泊まり込んでの製作経験は初めて。1日の製作数も自己記録を更新していると言う。波に乗ったという感じだ。こえび隊の皆さんへの製作指導もなかなかうまい。ポイントを確実に伝えて、自由な発想の部分を残してのびのびと製作してもらう。
泉がお昼前によもぎ餅をもらってきた。昔は入所者が臼と杵でお餅をついていたそうだが、入所者の皆さんご高齢となり、餅つき器にかえた。ちなみに杵でついた最後の日はたった1人野村さんが参加したそう

最後のよもぎ餅

だ。そのよもぎ餅、今日が最後なのだ。お餅を準備していた世話人である職員さんが退職を機に終止符を打つとのこと。泉は最後のお餅を大事に私たちに持ってきてくれた。私たちはこれからも受け継がれてきた大島での習慣が断たれていく場面に何度も立ち会うことになるだろう。私たちが期間限定でそれを復活させることもあるだろう。一つひとつしっかりと私たちの記憶に焼き付けていこう。
野村さんが陶芸室にぶらりと見にきた。カフェで使うカップが量産されているのを見て「わしはお酒が飲みたい。」とおっしゃった。もちろん冗談なのだが、私は野村さん専用の徳利とおちょこをつくることにする。陶芸部の関野に「先生のつくっている手はやさしいですね。」と褒められて、ちょっぴりうれしい。
16:00 私は明日の教授会、やさしい美術の業務のため一旦大島を後にする。陶芸部には泉がついているし、入所者の皆さんとも仲良くなったので安心だ。
16:15 官用船せいしょうに乗って高松へ。
21:30 帰宅

一つひとつ形が違う、カフェ・シヨルのカップたち

野村さんのためにつくった酒器

食べなさい、と野村さんからキャベツをわけていただいた