Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 4月のアーカイブ

新入生研修 大須

2010年 4月 17日

13:00 東本願寺へ。新入生研修のためだ。
14:30 研修が終了して、新入生と私、日比野准教授、研究室職員鈴木とで大須散策に出かける。肌寒さが残るものの、晴れてさわやかな日だ。道中、手作りアクセサリーのお店をのぞきながら、上前津までゆっくりと散策。ガレリアフィナルテに立ち寄り、赤塚祐二展を鑑賞。事情があって脚を悪くしたギャラリーのオーナー兼ディレクターの福田さんと久しぶりに談笑。脚の方、お大事にしてください。
その後は大須の商店街を抜けて大須観音へ。私の母方の親戚が大須観音近くに酒屋を営んでいたことがある。私の幼少の頃の記憶に活気のある大須のイメージが焼き付いている。近くに銭湯があって、全身に彫り物をいれたおじさんたちがお風呂をたのしんでいたのを記憶している。
私が高校生の頃、活気のあった商店街はシャッター街と化していた。酒屋だった叔父の家はコンビニエンスストアに鞍替えした。何かが失われていく、そんな喪失感を感じたのをおぼえている。
その後はパソコンショップ、古着屋などが集まる全国屈指の商店街として生まれ変わった大須。大須観音や万松寺など、昔ながらの寺院も新しい息吹の中、きちんと威厳を持って根付いているのが、うれしい。古いものと新しいものが出会い、共存しているすばらしい町になった。
とあるカフェにはいる。店内は昭和の香りのある内装。単なる懐古趣味ではない新鮮さも感じるお店だ。学生たちとしばし語らう。ふと大島のカフェ・シヨルのことが頭をよぎる。自然なかたちで入所者、青松園職員、一般来場者が集う場所。

活動説明会

2010年 4月 14日

今週は新しいメンバーを募るために授業後に活動説明会を行っている。
17:30 授業が終わり、プロジェクトルームに駆けつけると、ミーティングテーブルが説明会にやってきた学生でいっぱいになっている。リーダー古川が元気な声で活動の内容を解説している。熱のこもった説明会。学生たちも集中して聞き入っている。とてもうれしい光景だ。
すでに参加を希望している学生も何名かいるが、病院の現場を見てから決断しても遅くない、と私からは話している。今年度は恒例の病院訪問見学会を4月30日に行うことが決定している。この日終日休校なので全員で足助病院に出かけることが可能だ。病院の現場を見てから、この取り組みに参加するかどうかを決めてもらおうと思っている。

静かな反応

2010年 4月 13日

活動報告書平成19年–平成21年を発行してからしばらくして、少しずつではあるが感想や激励の声が私の元に届いている。やさしい美術プロジェクトで活動してきたメンバーを代表して感謝の気持ちをお伝えしておきたい。
メールで作品の感想を送っていただいた方。電話で「私たちの地域でもやさしい美術をはじめたい。」と問い合わせいただいた方。医療施設で活動している学生さんから、大学院に進学してさらに研究を続けたい、という声などが届いている。書物には力がある。存在感がある。1年前に発行したシンポジウムの記録誌の感想を1年後にいただくこともある。5年後、10年後、20年後…。書物は一石となり波紋をひろげる。

結婚記念日

2010年 4月 11日

夜、家族で歩いて2分のところにあるレストランに食事に行く。
家族でおいしいものを食べる。やさしい美術プロジェクトはおいしい美術プロジェクト。基礎は家族から。

大島 第一回定例検討会

2010年 4月 10日

23:00 オリーブ松山号に乗り、高松へ。初めての夜行バスでの大島行き。二階建てバスで一階は女性専用。シートが独立していてリクライニングもできる。カーテンが完全に閉め切られ外が見えないので違和感を覚える。すぐ慣れるのだろうが。

高松に着きドリーム松山号を見送る

6:50 高松着。あいにくの曇り空、風も強い。大島はもっと風が強いだろう。
カフェに立ち寄り朝食をすませる。コーヒーを飲みながら道行く人々をぼんやりとながめる。私は平凡な日々の積み重ねの1ページを眺めているにすぎない。旅人からは特別な一瞬のように感じられる。犬と散歩する人、手をつないで行き過ぎるカップル、自転車で朝市の荷物を携えて慌ただしく通り過ぎる人…。心新たに私の日常も旅人の視点になってながめてみよう。一日一日を大切に生きていく秘訣かもしれない。
9:10 せいしょうに乗船。テレビ局、新聞社の記者がごっそりと乗ってくる。今日は庵治第二小学校の入学式だからだ。たったひとりの新入生。しばらく休校だった小学校が再開される。小さい出来事だけれど入所者にとっては大切なセレモニーだ。その瞬間を捉えたい一心でメディア関係者が集まる。
9:40 大島に着く。すぐさま小学校に行く。

たった一人の入学式

10:00 入学式が始まる。体育館の真ん中にぽつりと一脚の椅子。入学式を祝おうと入所者、職員が集まっている。やさしい美術とこえび隊6名も一緒だ。自治会長山本さんがあいさつをされた。「たった一人の入学式ではありますが、心温もる思いがいたします。」お子さんをのこすことを許されなかった入所者にとって、大島でこどもたちの声が響き渡ることはよろこびであり活力が与えられるだろう。
入学式を取材するメディア各社。鳴りやまぬシャッター音。その中には入所者の脇林さんの姿もあった。入学式が終わった後校門の桜を前に脇林さんとしばし談笑。古い写真の取材を脇林さんは続けている。私も取材しなければと思いながら、他の作業でまだ手が届いていない。今後集中的に進めていかねば…。
10:30 カフェ・シヨル(第二面会人宿泊所)に戻り、壁面の漆喰塗り作業にとりかかる。途中でこえび隊がもう一方増えて、作業現場はにわかに活気づく。新聞社の記者さんも取材にくる。

大島よもぎのスコーン

12:30 野村ハウス(11寮)で昼食。井木、泉がサンドイッチを作ってくれた。おいしいコーヒー、そして「よもぎ祭」で試食するためのよもぎのスコーン…。かんきつ祭といい、よもぎ祭といい、彼女たちのアイデアは尽きない。カフェの助走はすでにスタートをきっている。ギャラリーの方が一向に進んでいない。挽回しなければ…。
13:30 やさしい美術とこえび隊事務局の甘利さん、AFGの高坂さんと大島を開いていくために必要な人員配置、役割分担、一般来場者のガイドの流れについて話し合う。今のうちから綿密に打ち合わせておかねばならない。こえび隊は定期的にミーティングや勉強会を行っている。大島をあついトークで解説した方もあったと聞き、うれしくなる。こうして大島のことが人、そしてまた人へと語り継がれていくことがとても大切だ。こえび隊の皆さん、本当にありがとう!これからもよろしくお願いします。
引き続き漆喰塗りの作業をお任せして私と甘利さん、高坂さんは香川県庁宮本さん、今瀧さんと合流して自治会会議室に向かう。
14:30 正式に瀬戸内国際芸術祭実行委員会に大島青松園が参入してから初めての定例検討会。事務長、事務長補佐、福祉室室長、副室長、官用船船長、看護総師長、看護副師長、そして同郷の副園長—。錚々たるメンバーだ。マナーペーパー、ルートマップ、開館時間、官用船への乗船手続きなど、大島を開いていくために必要な案件が次々と検討されていく。自治会長の山本さんの言葉が力強い。「思わぬことも多少なりとも起こるでしょう。瀬戸内国際芸術祭に参加すると決めたのだから、前に進まないと。」建設的に取り組みを進めていこう、そのような決意と強い意志を感じる。私には何よりも心強い。
16:00 定例検討会終了。身支度をして桟橋に向かう。泉は明日まで大島滞在、井木は所用のため急遽帰宅。その途中、突然軽トラックに乗った青松園の職員大澤さんに声をかけられそのまま軽トラックに乗る。ゴミ捨て場にあった大島ダンスらしきものが目に留まり、保管しておくかどうか確かめるため声をかけてくれたのだ。大島の日常に接している方からこうして様々な情報をいただいている。泉に見送られながら官用船せいしょうに乗り込む。船長が操縦室から出てきて、船室で先程の検討会の議論の続き。私は新聞記者のインタビューを受ける。慌ただしいけれど、大島を取り巻く人々の関心は活気を帯びていると実感する。

芸術祭実行委員会オフィスから島々を眺める

ターミナル7階に設置された瀬戸内国際芸術祭実行委員会のオフィスに寄り、今日あがった検討事項とこれから組み上げていかなくてはならない事項を相談する。きれいなオフィスにはこれまた使用感たっぷりで木製の事務机が並ぶ。新しいものを買うのではなく、あるものを使う。こんなところにも芸術祭の精神が生きている。
会議の後、食事をすませた後はターミナルビルのベンチで仕事する。

オリーブタワーに飾られた芸術祭の垂れ幕がシャープでかっこいい

22:10 夜行バスに乗り、名古屋へ。明日早朝6:00ごろに到着予定だ。

最初の仕事

2010年 4月 6日

私は終日明日の授業の準備、書類作成に追われる。川島は一日かけて学内キャンペーン用の冊子置き場の設えを制作する。
19:00 川島から「完成しました。」の連絡。二人でアブスト(組み立て式の台座)を6台組み立てる。小牧市民病院での取り組みの記録誌と今回仕上がった活動報告書平成19年ー平成21年の組み合わせで学内の人が集まる場所7カ所にとりおく。廊下を通りがかった学生、休憩のひとときに是非読んでほしい。
川島のスタッフ最初のお仕事。おつかれー。

打ち合わせと打ち上げ

2010年 4月 5日

新スタッフ川島、前小牧スタッフ泉、庶務課(ワークショップチーム)村田で打ち合わせ。今後の経費処理の流れを確認する。
19:10 川島と通学バスに乗り込む。私の家族は1日から大阪海遊館、島根の出雲大社、ユニバーサルスタジオ、水木しげる記念館などを自家用車でめぐる旅に出ている。今日の夜中に帰ってくるはずだ。
20:30〜金山の居酒屋でやさしい美術プロジェクトスタッフの歓送会を行った。少人数ながらも静かに盛り上がる。
また、このような席を持ちたい。

早くも新しいスタート

2010年 4月 2日

新しいメンバーを募集するため、ガイダンスのプログラムとして実施している部活動、サークル活動の紹介の時間を借りて、やさしい美術プロジェクトの新規メンバー募集を呼びかけた。私はコース授業の打ち合わせで出席できなかったが、リーダー古川が立派に説明をしたと聞いた。頼もしいかぎりだ。
全学の取り組みとなってからも、現代GP選定事業となってからも、学生全体に呼びかける機会は設けられていなかった。私は担当するコースのゼミの紹介の一環としてやさしい美術の活動を解説することはあっても、直接私が勧誘し募集をすることはしていない。あくまでも、やさしい美術は動機と行動力を持ってのぞんでほしい、という願いからだ。当然の事ながら自らの一歩でやさしい美術に参加する学生を選考する事は一切していない。学生、スタッフが自主的に全学に向けてポスターを貼り出し、チラシを配り、学生に平等に情報が行きわたるよう努めてきた。ある年は私がチラシを作成して学務課で認可の印鑑を押してもらい、100枚ほど貼り出した事もある。やさしい美術プロジェクトは部活動でもサークルでもない。社会的責任を帯びたミッションを遂行している「プロジェクト」なのだ。その存在を知らせる機会を要望しても聞き入れてもらっていないのは私自身歯がゆかったし、学生はさぞくやしい思いをしてきただろう。今日はガイダンスを主催している学務課のはからいで、初めて正式にアナウンスする場を設けてもらった。
出来上がったばかりの「活動報告書平成19年ー平成21年」は学内のエレベーターホール、学生ホールなど数カ所に自由に閲覧できるよう設置する計画。一昨年からプロジェクト教育研究委員会で出された学内広報のアイデアである。スタッフ川島と設えの形態、場所の検討を行う。4月5日(月)には設置完了予定。学内全体に涵養することを目的としている。