Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 5月 10日のアーカイブ

ツツジの寒天ゼリー

2010年 5月 10日

9:30 資料の整理。
10:00 プロジェクトルームに行き、ミーティングの準備をしていると、大島チームの井木と泉がやってくる。二人が来ると一気に賑やかになる。ほこほこしてくる。
大島の取り組み「つながりの家」の活動を円滑に進めるためのミーティングを行う。検討事項がたくさんある。特に現地で準備するものと名古屋で準備することのバランス、材料の調達と運搬がポイントになってくる。というのも、大島は離島のため、材料は官用船を頼るか、チャーター船で運ぶことに限られる。地続きのところで都合のつくときにホームセンターでお買い物、というわけには行かないのだ。スケジュールも綿密に立ててていかなければならない。
連休中、各自制作、リサーチしてきたことを報告し合う。私はギャラリーの展示プランを二人に説明。素材や機材も揃いつつあることを報告する。泉は実家のある大阪で「ろっぽうやき」の短期修行に行ってきたそうだ。
菓子職人だったある入所者が「ろっぽうやき」といううどん粉とあんで素朴なお菓子を作っていたという。大島に強制的に隔離されてきた入所者にはありとあらゆる職業の人がいた。ハンセン病を患ったというただ一点に於いて大島に住むことになった人々が生んだ「文化」はルーツが問題ではなく、人々の心を揺り動かしたという事実が重要だと思う。「ろっぽうやき」はその象徴であり、入所者ほぼ全員が知っている味覚の記憶なのだ。
不思議だが、たまたま泉の故郷である大阪にろっぽうやきを売るお店があり、大島のろっぽうやきを再現するという事情をお話ししたら、快くレシピを教えてくださり、なんと厨房で職人さんといっしょに作ってきたのだと言う。こうした巡り合わせと出会いで大島に滞在していない間も制作は続けられている。
大島ツツジでつくった寒天ゼリーは絶品