Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 11月 1日のアーカイブ

小牧 試作検討モビールと室内装飾

2010年 11月 1日

芸術祭閉幕から一夜明けた朝

せいしょうのレーダー画像

8:30 大島発高松行きの官用船せいしょうに乗船。芸術祭閉幕から一夜明け、平常通りの大島は静まり返っている。泉、井木、張はあと一週大島にのこり、ろっぽうやきを入所者むけにふるまうことにした。
私は大島から直接大学へ向かう。午後授業を担当するため、急いで名古屋にもどらなければならないが、一本電車を逃してしまう。15分ほど遅刻してしまう計算だ。
13:15 大学着。さっそく1、2年次の修了制作展のミーティングに。
この2、3週を使ってみっちりとディスカッションを繰り返してきた。学生らはエレベーターと階段を企画の場所に選び、特にエレベーターの持っている潜在的な可能性として乗り降り、ON-OFF、閉鎖空間-開かれた空間についての考察に議論は広がっている。それらの物理的側面と心理的側面がバーチャルの世界と現実世界と対比して見えてきて、なかなか面白い展開になってきた。彼ら彼女らのなかでは、エレベーターを考察することが思わぬ気づきにつながっているようだ。現在の自分たちをとりまくマトリックスについて単に享受するものに終わらない何かに化けようとしている、といったら良いか。

小牧市民病院にでかける

16:30 授業後、スタッフ川島の自家用車に乗って小牧市民病院へ。道中、制作の依頼を持ちかけたやさしい美術メンバーで卒業生の天野を拾う。
17:30 小牧市民病院に着き南6病棟に向かう。ここは脳外科の患者さんが入院している病棟だ。デイルームを装飾するプランを提案中だが、他の病棟とは異なった配慮が必要で、作品を展示するには難易度の高い場所だ。脳外科の患者さんはデイルームで食事をとる。看護師さんが目を配り、家庭的な雰囲気を創り出し、丸テーブルについて食卓を囲む。担当の看護師さんから私たちに言い渡されていることは、「食事をしている患者さんが食事に集中できるようにしてほしい。」ということ。この時点でモビールという選択肢はなくなった。ぼんやりと空間に漂うモビール作品を眺めていたのでは、患者さんは食事に集中できないのである。今回は何気ない空間装飾によって空間のやわらかさを演出することにしている。作品が主張せず、いつもの空間をほんのりと変える。現場で制作の打ち合わせを進めていく。食事の様子をみることができたのでプランを考える上で参考になった。
一昨年から継続している「森をつくる折り紙Morigami(もりがみ)」のメンテナンスをする。紅葉バージョンの折り紙を補充し、緑バージョンを少しばかり間引く。こうした繰り返しでMorigamiの山は紅葉へと移行していく。
時間がかかる。おなかが空いたので川島とドライブスルーでファーストフードにかぶりつく。現場仕事で幾度となく歴任のスタッフらと車中でハンバーガーを食べた。この感じ、なつかしい―。
さて、小牧市民病院に戻り、試作品検討を続ける。
南4病棟には昨年までスタッフを担当していたデザイナー井口さんの作品展示を予定している。南4病棟は産婦人科の患者さんが入院している。おなかの大きい人、赤ちゃんをだっこしている人の姿を見かける。病院内ではめずらしく、明るさが要求される場所だ。脚立にのぼり井口さんの試作品を実際に天井から下げてみる。点滴棒にかからない高さを確保しつつも少しボリュームを持たせた作品がこの場所に合うようだ。色彩に関しては全面的に井口さんを信頼し、任せることにしている。
面会時間を過ぎ、病棟の照明は暗く落とされる。看護師さんは作業する私たちに気を使ってディルームの照明は点灯したままにしてくれた。
21:30 所々のメンテナンス等を済ませると時間はどんどん経ってしまう。まだいくつか仕事を残しているが、病院に迷惑をかけられないので、今日のところは撤収する。
23:30 自宅に到着。さらに書類作成の仕事をする。

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