Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 11月 17日のアーカイブ

足助病院搬入 えんがわ画廊復活

2010年 11月 17日

古川の新作

16:00 授業を終え、プロジェクトルームに向かうと、今日作品を搬入するメンバー小川が作品を梱包していた。スタッフ川島とメンバー木谷、古川、森はお昼にすでに大学を出発している。
今頃は古川の透過絵画作品のシリーズ最新作を内科処置室天窓に設置しているところだろう。内科処置室は診察が多い場所で、点滴を打つベッドが10床ほど並ぶ。抗がん剤を投与する際も使用している場所なので、搬入する作業は緊張感を伴い、作業時間も限られる。何度も搬入しているとはいえ、古川らには確実で配慮された作業が求められる。
自家用車で小川を乗せて出発。車中全く会話なし。徹夜で作業していたのだろう、初めての搬入で緊張して眠れなかったのかもしれない。足助病院までそっとしておく。

廊下表示灯の取付け部分を流用してえんがわ画廊のステーを取付ける

17:30 足助病院到着。すでに辺りは暗い。院内に入っていくと川島、古川、木谷、森の4名がきびきびと作業している。
B病棟に向かい、えんがわ画廊のミニギャラリー部分の様子を確認に行く。廊下表示灯の配線は繊細なので、病院施設担当者の立ち会いのもと、えんがわ画廊の縁部分を設置する。すでに川島が設置を終えてくれていたが、約半数のステーに不具合があり、縁部分が壁から離れて廊下側に垂れ下がっている。現場合わせで微調整するほかない。担当の病院職員に来ていただき、再度廊下表示灯を取り外し、取付け部分の曲げ加工をその場で進めていく。その作業の間、患者さんたちの息づかいを感じる。やさしい美術プロジェクトならではの設置作業の空気感だ。
えんがわ画廊の設置および微調整を終え、いよいよ小川の作品搬入だ。小川の提案は各病室の番号を愛くるしい動物たちで表現するプラン。画力がなければ、なかなか取り組むことが難しいテーマに敢えてチャレンジしている。小川のしなやかな線描、違和感のないバランスのとれた画力は目を見張るものがある。喩えれば「描き続けていないと死んじゃう」タイプ。常に何か描いている。メモもほとんどが絵。今回のプランを病院サイドに提案したとき「将来的に足

えんがわ画廊の全17カ所に設置された小川の作品

助病院が新病院に建て変わった時の部屋の表示に使えたらいいわね。」「イラストが部屋の番号として読み取れるかな。」といった意見をいただいた。それを工夫をこらして克服し、なおかつ質の高いイラストに落とし込むことが、ポイントだったが、なかなかよくできている。
設置作業も小川を中心にメンバー同士が協力し合い作業を進めていく。危険性の少ない作業なので、メンバーのみで試行錯誤しながら作業を進めさせる。作業に慣れて来るとピッチがどんどん早くなる。私の方は着実に作品が固定できているかに目を光らせる。慣れてきた時こそ油断は禁物だ。
19:00 設置作業終了。スタッフ川島の声かけとコーディネートで再開したえんがわ画廊。えんがわ画廊を創設した泉もよろこんでくれると思う。
売店前に行き、古川の作品設置に立ち会う。前作を内科処置室から取り外し、新作に取り替えた後は前作は売店前の天窓に移設する。これは病院サイドから提案されたアイデアで、1つの作品で二通りの楽しみを提供している。
20:00 作品設置終了。
足助病院は名勝の香嵐渓すぐ近くに立地している。ちょうど紅葉の見頃、帰りに少し寄り道することにした。足助病院に向かう道もさほど込み合ってなく、ライトアップされた紅葉を見てから帰るのもいいと思い立ったからだ。
駐車場はどこも満杯。国道に面しているところはどこも満車だろう。山奥側の駐車場を利用して奥からアクセスすることにする。
ライトアップされた紅葉は初めての体験だ。風が身を切るように冷たい。これでは紅葉の季節を飛び越えて落葉にはいってしまう、そんな寒さだ。搬入を済ませたあと、ヒートアップした私たちをクールダウンしてくれる。気持ちがいい。売店で松茸ご飯を食す。
21:00 足助を出発、帰路へ。