Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 12月 10日のアーカイブ

足助病院 えんがわ画廊展示替え(企画展2回目)

2010年 12月 10日

冬空で澄んだ空気。
16:00 メンバー原嶋と自家用車に乗り込み足助病院に向けて出発。スタッフ川島、メンバー古川、卒業生加藤は先発ですでに足助病院にて展示作業中。
澄んだ空気のため、夕日はそれほど赤くは染まらない。雲がやわらかな寒色の影絵を描き出している。
17:00 足助病院到着。日はとっぷりと暮れている。まず足助病院中庭に行くと、クリスマスイルミネーションの設置作業中の先発の3人と施設課の職員さんに会う。イルミネーションは川島に任せ、原嶋と古川でえんがわ画廊の展示作業を進めることにする。前回の企画展で展示していたメンバー小川の「もじ文字動物」はすでに撤去されている。B棟病棟はお年寄りの患者さんが2〜3ヶ月の長期にわたり入院されている場所。小川の作品は動物のポーズが病室のナンバーを示しているもので、心和ますイラストレーションであると同時に表示の機能を果たすものだ。一見見ただけではわからないが、しばらくながめていると数字が浮かび上がる。それが長期入院している患者さんにはほのかな刺激と楽しみをもたらし、好評とのことだ。看護師さんから惜しむ声も多く寄せられ、約1ヶ月の展示期間の間、愛された作品だったようだ。こうした反響は自分の作品でなくともうれしくなる。そう、やさしい美術プロジェクトの「やってよかった。」という醍醐味はこうした場面で実感する。次は是非搬入作業だけでなく、搬出作業も作者自身で関わってほしいと思う。エネルギーを充填する瞬間だ。
古川が今回えんがわ画廊のために制作した「ぬいぐるみの休日」はすでに8カ所展示を完了している。古川は経験者として初めて病院に展示する原嶋をリードして二人でてきぱきと展示作業をこなしていく。
メンバー原嶋の作品は正方形のキャンバスに油彩で花を描いた「一輪の花」という絵画作品。各病室に花のオーナメントを設えたようで廊下に文字通り花を添えた。
小さな作品、小さな提案。しかしえんがわ画廊の役割は重い。患者さんが一番長い時間を過ごす病棟に作品を置くことは、良くも悪くも患者さんへの直接的な影響を念頭に入れておかなければならない。また、えんがわ画廊が病棟に設置できたのは何年もかけて病院と協働してきたからこその信頼関係の上に成り立っていることを忘れてはならない。今年度から関わっているメンバーの小川、原嶋。二人には初めての病院での展示の舞台を創り出してきた先輩への感謝の気持ちを忘れないでほしい。受け入れてくれている病院職員さんの患者さんへの念いもキャッチしておいてほしい。せっかく良いスタートが切れたのだから。
えんがわ画廊の設置作業が一段落し、中庭のクリスマスイルミネーション設置作業を全員で取り組む。スタッフ川島は在学中毎年施設課の職員さんからクリスマスの時期に頼まれていた仕事だったが、タイミングが合わず今日になってしまった。昨年は私と工藤の二人で設えをつくった。日がすっかり短くなった今日この頃。山間にある足助は暗くなるのも早い。イルミネーションのあたたかい光が足助病院を照らす。