Nobuyuki Takahashi’s blog

2011年 3月 22日のアーカイブ

小牧市民病院 活動報告

2011年 3月 22日

moca(井口弥香)デザイン&制作のモビール作品の新作

毎年恒例で行っている小牧市民病院での活動報告会。これまで3月上旬にスケジュール調整し、小牧市民病院内の講堂を使ってこの1年間の活動内容を発表してきた。しかし、今年は活動報告会を開催しないことになった。というのも総務課職員さんにこれまで尽力いただいているが、どれほど周知徹底しても人が集まらないのだ。末永院長は必ず出席いただいているが、他の職員にしてみれば、院内のアートプロジェクトは仕事から外れたことになってしまう。私たちの活動が院内のボランティア活動の域を出ないのは、まさにこのことにかかっている。病院に組織的に取り組む仕組みを作り、病院に必要とされる安全管理や患者さんのアメニティーの充実など、仕事として人を置くことができるようでなければ、院内の正式な取り組みとして認知されない。やっていることはいいことなのだけれど、必要に迫られてはいない、曖昧な存在感なので誰も真面でやろうとしない。
一方私たちやさしい美術プロジェクト側はどうか。これも大学の正式なプロジェクトであるならば、大学内の組織構成と連携、評価基軸や評価方法が定められ、年度に限らず長いスパンで取り組まれているのが本来だ。当プロジェクトは現代GPに採択されたが、3年間の大いなる試みは終わり、大学に根ずくに至らなかった。私の力の足りなさ故である。
「臨床するアート」福岡セッションに発表者として参加してきたが、その際大阪市立大学付属病院の山口悦子さんの発表は目を見張る内容だった。山口さんはドクターでありながら、病院内の安全管理を医学、社会心理学などの学問を礎に院内の機構に組み入れた形でアートを実践している。全国でも間違いなく先端を行く活動だ。病院主導で動くアートの活動。

16:00 午前中になんとかまとめあげることができた活動報告書と1年間のアンケート調査の分析結果、今年度作品を設置した部署へのアンケート用紙を総務課の吉田さんに手渡す。その後はスタッフ川島は院内各所に設置したアンケートの収集とメンテナンスにまわる。私は森をつくるおりがみMorigami(もりがみ)のメンテナンスにとりかかる。
地震の被災地を思う。Morigamiを送るのも一策かもしれない。折るという行為。繰り返すこと。自分の時間をしっかり持って集中するには折り紙は最適だ。さらにそれは単なる折り紙ではなくて、複数集まることで森を育んでいくという前向きなイメージも増幅される。

18:30 諸作業を終えてプロジェクトルームに帰ってくる。私はパソコンを起動し、いくつかの連絡事項、頼まれている確認作業をさくさく済ませていく。その後散らかったプロジェクトルームを片付ける。年が明けてから新聞記者さんや研究者の方など何人かこの部屋を訪れているが、その都度気にかかっていた。清掃、整理整頓が行き届かず、とても人を招くことができる状態になかった。
収納し、整理してすっきりとしたところでayakoさんの消しゴム版画作品を板に取り付ける作業を行う。スタッフ川島に差し金の使い方を伝授。
22:00 作業終了。大学を出て一路自宅へ。