Nobuyuki Takahashi’s blog

2011年 7月 22日のアーカイブ

生き抜く

2011年 7月 22日

約20名の学生にミッションを言い渡す。
「一晩、自分が生き抜くシェルターを作りなさい。」
素材は購入できない。既存のライフラインを使う事はできない。そして屋外に設置すること。
なおかつ、本当に泊まる。
こうして、学内にバラック状のシェルターが現れた。ある者は建物に寄生するように。またある者は植栽と共存する。

授業を終えてすぐに東京に向かう。アーツ千代田3331のエイブルアートジャパンアトリエで行われるワークショップ「ひかりCafe」に参加するためだ。「臨床するアート」 と題して行われたレクチャーのリレーがきっかけとなり、その参加者が自主的に集まり、意見交換や情報のやりとりが始まった。今回は田村朋美さんが「ひかりCafe」を企画。やさしい美術の「ひかりはがき」を私たちに代わって実施し、震災やその周辺について自由に語り合う機会とした。田村さんは私を東京に呼ぼうというつもりはなかったのだが、私は田村さんの企画に共感し、参加する事にした。

今回の「ひかりCafe」には、12名の参加者。円座になってゆったりと語り合うにはいい感じ。私は30分ほど時間をいただいて、「ひかりはがき」の取り組みについて解説した。被災された方々にはがきを渡すときの様子を詳細に語る。そこに至るまでは、正直なところ私にはこのアクションが何になるかの確信があるわけでもなく、ぶれにぶれながらなんとかここまでやってきた。そして結果も結論もなく、状況に感応しつついまだ進行形なのである。
参加された方々は障害者の施設で働いたり、NPOで支援活動を行うなど、それぞれ興味深い仕事に携わっておられるようだ。今回の「ひかりCafe」 ではワークショップの流れもあって、私が話をすることになったが、今後「ひかりCafe」がゆるりと続いていくのならば、参加する人々が持ち回りでお一人ずつの活動に焦点を当ててお話をしていただくのも一考かも。

学生が制作したシェルターの一つ 螺旋階段に寄生

シェルターの中 宗教的な空間

ひかりCafe 実施風景