Nobuyuki Takahashi’s blog

2011年 9月 19日のアーカイブ

遺るもの 遺すもの 女川町

2011年 9月 19日

女川町は広大な被災地の中でも特に大きな津波にみまわれた場所のひとつだ。コンクリートのビルが大地から引き抜かれた状態で横たわっている。当地ではそれらをモニュメントとして遺すことが検討されているようだが、もちろん賛否両論あるだろう。「遺す」ことの意思決定はとてもむずかしい。
一方「遺った」ものもある。私は避難所を訪れてひかりはがきを人々に渡してきたのだが、その帰り道、荒涼とした土地に静かにたたずむ人影のような物が傍らをよぎった。ふと車を止めると、それは枝葉がもぎ取られた2本の桜の木だった。そこに張り紙が。「津波によって弱っています。皆で応援してください。」この地で生きながらえた人々がその桜の木に自らの姿を映しているのだろうか。