Nobuyuki Takahashi’s blog

妻有ツアー ぴかぴかの藁

朝の食卓はこんな感じ

朝の食卓はこんな感じ

7:00 起床。頭がすっきりと冴えているので朝から原稿執筆。
8:00 女性陣が簡単な朝食を用意してくれる。メンバー天野が作ったスクランブルエッグの塩加減がたまらなくうまい。
8:30 でんでん(デザイン集団)岡村が宿泊しているホテルからここ「やさしい家」に来る。岡村はHimmeliを制作するワークショップを行なう予定になっている。Himmeliはフィンランドではその年に採れた藁を用いて幾何学的な装飾品をつくり、各家庭で縁起物として飾られるものだ。今回岡村は地元の素材「藁」を用いようとしている。リサーチを重ねた結果、津南町のある住民の方から藁を分けていただく事になった。
9:00 十日町駅前のレンタカー屋さんで車を借り、津南町に向かう。
道に迷いながらも住民Kさんのお宅に到着。
すばらしい姿のお宅だ。見事な草屋根。まるで、ここだけが時間が止まっているようだ。
Kさんはとても親切で、奥様もとってもやさしい。藁をいただく前にお茶でも飲んで行きなさいというのでお宅にあがらせていただく。中に入ると少しひんやりとする。真夏でも涼しいと聞く。分厚い草屋根のおかげだ。その草屋根の傷んだ部分を最近葺き替えたそうだ。屋根の葺き替えには近所同志持ちつ持たれつでやってきたようだが、近所付き合いが薄くなった現代では膨大なコストがかかるらしい。古くて伝統的な生活を営むにはかえってお金がかかるという矛盾。
住民Aさんは藁について造詣が深く、扱っている細工用の藁は使う場所、用途によって使い分ける。その藁はすべてぴかぴかしている。
奥様がいちごとアスパラを出してくれる。両方とも売り物にならない歪んだ果物と野菜だ。でも光り輝くように美しい。野菜の内面が輝きとなって顕われているようだ。こんな野菜、見た事がない。食べてもっとびっくり。ジューシーで旨味が口の中いっぱいに広がる。こんな野菜たちを育てるAさんの手は無骨で野菜と同じようにぴかぴかしていた。
随分と長居してしまった。Aさんとの時間は忘れられないものとなった。この感覚は大島で入所者の皆さんとお話をした時と似ている。人生の大先輩からいっぱい受け取るものがあった。
12:00 やさしい家に戻る。
13:00 昨日から搬入作業を続けていた泉とサポートしていたメンバー、スタッフが十日町病院から帰ってくる。帰ってくると同時に病棟の看護師さんから連絡が入る。今回の泉の作品は十日町病院病棟のすべての病室前廊下表示灯(72カ所)にミニギャラリー「えんがわ画廊」を設置し、季節の花を手作りで制作したものを展示した。一カ所のみ展示がされていない、との指摘だ。
私は今回の泉の作品を確認したかったので、すぐに材料を持って私と泉のみで病院に向かう。
病棟の患者さん、看護師さんの反応は上々。病棟全体が統一感を伴ったあたたかい空間に様変わりしていた。
感服。すべての病室に作品を設置したのは過去において泉一人だ。十日町病院での取組みの出発点をきっちりと踏切ってくれた。6月の「足助アサガオのお嫁入り」の結婚式が執り行われれば、事実上の大地の芸術祭に向けた活動が一足先に幕を開ける。
その後、ちょっと遅い昼食場所で他のメンバーと合流。
19:30 大学に到着。

光り輝く藁

光り輝く藁

葺き替えた草屋根。すばらしい姿だ。

葺き替えた草屋根。すばらしい造形だ。

えんがわ画廊設置風景

えんがわ画廊設置風景