Nobuyuki Takahashi’s blog

制度

どん兵衛/高橋伸行

どん兵衛/高橋伸行

せい‐ど【制度】社会における人間の行動や関係を規制するために確立されているきまり。また、国家・団体などを統治・運営するために定められたきまり。(大辞林より)

私たちをとりまく、様々な「制度」は私が生まれる前からずっとあり続けたものもあるし、最近できあがったものもある。「制度」は実は社会的に認知されているという意味において書面の一字一句まで定められているきまりごと・しくみの他に、従わなければならない事柄や一般的な常識のことをさすこともある。この広義での「制度」について考察し、アクションをおこしてゆくことは私のライフワークでもある。というのは「私」という個人そのものが生まれもって制度化されており、それによって私の意志に関係なく、外部から保護されたり、時には苦しめられたり、閉じ込められたりするからだ。私なりにまじめに生きようとすると、常にこの見えない壁に衝突する。
私は制度を破壊するアナーキストではない。ただ、制度が成立している根拠を置き去りにして、それを闇雲に振りかざしてくるような私への攻撃(いささか被害妄想ではあるけれど)に対して徹底抗戦しているだけである。私は制度のなかで生まれ、制度の中で育ち、私という存在が制度化された人形(ひとがた)であることを忘れてはならない。でも制度の内にじっとしているのは耐えられない。制度に向き合うということは先人が取組んでいた泥人形にあらたに私が一手を加えるモデリングであってほしいと願う。