Nobuyuki Takahashi’s blog

今年最後の日

昨日久しぶりに小原村のスタジオに行く。荷物をおろすのと大家さんに年末のごあいさつをするためだ。スタジオチキンハウス(鶏小屋を改造してスタジオ兼住まいとしていたので)にはアカスズメバチの巣が4つも残っている。すでに宿主は見当たらない。息子の慧地が興味を持ったので、一つ軒下からはがして持って帰ってきた。
昨日まで、香川県庁や新聞社、瀬戸内国際芸術祭のサポートメンバーや大島青松園の職員さん、自治会長さんと連絡をやり取りする。年末までにまだまだやっておくことがある。
大晦日の今日、午前中は慧地と工作あそびの準備をしたり、美朝と遊ぶ。昨日持って帰ってきた蜂の巣を慧地とじっくり観察する。バスケットボール大の巣は紙のような材質感で積層された外壁で丸く覆われている。その中に何層もの蜂の巣本体がマンション状に並ぶ。緻密にして繊細、このような造形をだれがどのようにオーガナイズしているのだろう。そもそも誰に教わっているのだろう。「生き物は誰にも教えてもらわなくても体で知っていることがあるんだよ。」そう息子に語りつつも私自身、不思議でたまらない。つくづく思うが私が向き合っているこの世界は「どうして?」という質問には一つも答えてくれない。「こうなっている。」という事実のみが眼前に広がっている。
午後は家族全員で大掃除だ。普段あまり掃除しない天井や壁、サッシ、網戸を徹底的に掃除する。
洗い清められた我が家に冬らしい凍てつく風が通り抜ける。

住人のいない巣を観察する。

住人のいない巣を観察する。下の方の小さな穴が内と外の世界をつなぐたった1つの出入り口だ。

小さな世界には私たちが体験できない重力と身体感覚が潜んでいる。

小さな世界には私たちが体験できない重力と身体感覚が潜んでいる。