Nobuyuki Takahashi’s blog

緊張のプレゼンとアサガオ

午前中はスタッフ川島と打ち合わせ。予算執行状況を見ながら今後の計画を修正して行く。展示に関わるアーティストとの連絡業務はかなり川島の負担になっているが、さらに難しいのはスケジュールの調整だ。院内の現場見学、搬入搬出、研究会…。すべて、病院サイドの都合に合わせるべきで、バッティングをしないように調整することは困難を極める。
12:00 足助研究会に参加するメンバー服部、倉内、木谷、そして川島と私。集合して荷物を私の自家用車に乗せて出発。
13:30 足助病院着。山の緑がこころなしかくすみが出てきた。秋の気配を感じる。まず、事務室に行き、9月25日開催予定の「病院祭」の打ち合わせ。4年に一回行われる、病院を地域に開放し、病院とその役割を知ってもらうお祭りだ。私たちはこれまでに2回経験してきているが、出店はすべて職員が担当していた。今年は業者にお願いしているようである。新しく建て替える足助病院についても院長直々にレクチャーがあるようだ。
14:30 職員食堂にて研究会開催。4名の看護士さんらが出席。服部、倉内は初めての病院でのプレゼンテーションに緊張が走る。このために8月19日に「プレゼン大会」と銘打ち、本番さながらの練習をした。大丈夫。自信を持って発表しよう!
服部、倉内とも緊張は拭えないが、しっかりとした口調、通る声で発表できていた。二人とも人前で話すことが苦手だと思う。でも伝えたい気持ちがあれば、とおらない声は、ない。がんばったね。展示までの道のりはこれからだけれど、良いスタートをきったと思うよ。

木谷の「どこでも窓」はとうとう水中世界にまで!

15:30 研究会終了。全員でB病棟に行き、展示場所となる「えんがわ画廊」を見に行く。「えんがわ画廊」とは泉麻衣子(元小牧市民病院スタッフ、現在大島メンバー)が廊下表示灯下に縁を設け、定期的に展示替えをするミニギャラリーとして展開した。泉の手から離れた「えんがわ画廊」を今年度に加入したメンバーの展示場所として活用する。服部、倉内のプランも「えんがわ画廊」に展示する物である。現場ですべて実測し、試作をあてがい実際の展示状況を想定してみる。現場でしかわからないことがたくさんあることに気付く。わかっているつもりでも、それは頭の中での決め付けでしかないと実感するのだ。それがわかっただけでも収穫である。その場所にはありとあらゆるものが関係している。うつろう自然光、廊下に響く患者さんの声、説明しがたい臭気、看護師さんの足音…。作品はその中に展示されるのだ。

左が足助のアサガオ、右が十日町から帰ってきたアサガオ

現場検討のあとは作品のメンテナンスだ。川島、木谷が前回のメンテナンス状況の記録から今日の整備事項を準備した。私はメンテナンスを彼らにまかせ、院内の状況把握につとめた。久しぶりに作業療法室に顔を出す。今年限りで退職される職員の三橋先生は昨年の赤塚の作品「アサガオのお嫁入り」で大変お世話になった方だ。当の赤塚が全く足助に来ない失礼をおわびしながらアサガオの様子を見学させていただいた。季節としては終盤を迎えているアサガオ。それでもリハビリに精を出す患者さんを元気づけるには充分なアサガオのトンネルができていた。足助のアサガオと十日町病院に嫁に出て咲いたアサガオの種をもう一度足助で植えたもの。その双方のトンネルが並んでいることに私はなんとも言えない感情がわきあがった。アサガオの蔓は心のつながりをそのまま表しているかのようだ。
17:30 足助病院を出る。初めてのプレゼンテーション、現場検討で緊張しっぱなしの二人は充実感に満ちた表情をしている。車中に木谷、川島からもねぎらいの言葉が自然と出てくる。
21:00 帰宅