Nobuyuki Takahashi’s blog

記憶のモンタージュ

ギャラリー前に展示中の盆栽

快晴。風もおだやか。7:00にギャラリーをオープンし、今回の企画展「松展」のビデオ撮影に入る。
朝の恒例で畑で野村さんと談笑。ギャラリーの展示を見ながら古い写真の解説もしていただいた。写真を見て記憶が鮮明になっていくことは誰もがよく体験していることだ。私はたかだか3年前からの大島しか知らない。そこでひとり一人の入所者の記憶が組み合わさり、あるいは重なり合ってモンタージュされていくその様を傍らで見させていただいている。当時を知らない私が過去の大島を知ることはとてもわくわくする体験だ。なぜなら、その風景に私が聞いて来た様々なエピソードが投影され、より克明にイメージできるからだ。大島ファンとしてはこの上ない喜び。
朝一便は予想通り50人の来場者で乗船券めいっぱいでやってくる。私は極力ギャラリーと解剖台の解説をするようにしている。解剖台の説明はガイドスタッフには荷が重すぎるのだ。デリケートな問題を含む遺物をめぐっては慎重に言葉を選ばなくてはならない。
11:30 某新聞社記者さんが大島にやってくる。カフェに案内し、カフェの全景を撮影した。ほぼ満席だったお客さんは快く撮影を許可いただいた。
13:00 ギャラリーにもどると、お客さんを連れた脇林さん、東條さんがギャラリー内にいた。うれしい。入所者がすいている時間に観に来てくれている。やはり古い写真の前に立つと入所者の皆さんは饒舌になる。私は聞き逃さないように隣にぴったりと張り付いて皆さんの話を聞き入る。記憶のモンタージュがまた一枚また一枚と組合わさっていく。墓標の松の出土品は意外にも入所者でも初めて見る方が多いようだ。なぜこれほどまでに公表がされてこなかったのか。不思議だ。
毎回の船の乗船はかなり多い。今日も120名を越えている。
16:30 まつかぜに乗船。とおりがかった野村さん、森さんにしばしの留守のあいだ盆栽の水やりをお願いして名古屋に向かう。
高松に着き、芸術祭推進室に寄る。メールのチェックと返信に追われる。
総合ディレクター北川さんと芸術祭後の大島の取り組みについて意見交換。できるところから確実にやっていこう、というお話をした。この芸術祭期間中に皆さんに今後のビジョンをお話しできればと思う。
22:10発名古屋行き 夜行バスに乗り込む。