Nobuyuki Takahashi’s blog

超がつく どたばた

長らくブログの更新が滞ってしまった。
いくつものプロジェクトが同時並行であったためだ。私がマネージメントするコースは1年次は成果発表のため、アトリエをギャラリースペースにした。2年次は修了展。学内全域にわたって作品が散らばるもので、企画から制作、広報までほとんどの運営を学生が自主的に行なっている。
そして、それに加え、平成20年度やさしい美術プロジェクト活動報告会だ。
1月15日(木)定例教授会を動かしての開催。学外から評価委員会に、ボストン美術館館長で美術評論家の馬場駿吉先生、同朋大学大学院教授で名大医学部生命倫理委員でもある田代俊孝先生、そして足助病院院長の早川富博先生をお招きして実施した。さらには短大部教授で美術評論家の三頭谷鷹史、メディアアーティストでメディアデザインコースの外山貴彦、日本画准教授の美術作家、渡邊直彦が加わり、昨年よりも二名多い構成。評価委員会構成は私が原案を作っているが、それをプロジェクト教育研究委員会で慎重に検討し、学長のアドバイスのもと決定した。現代GP関連の事業の1つとして開催される本学のオフィシャルな行事であり、学内とはいえ、これだけの評価委員をお招きできること、快く参加をしていただいている先生方に感謝するほかない。教授会を動かしての開催とは先に述べたが、私が想像する、教授会全員の参加とはならなかった。ともあれ、少なくない教職員が、会場につめかけ、興味と期待をもって見守ったことの意味は大きい。
なによりも、学生たちは少ない経験と限られた授業外という時間の中で、できうる限りの準備をし、活動報告会にのぞんだ。その潔さと真摯な姿勢を私は評価したい。まちがいなく、その意気込みは活動報告会を目の当たりにした全員に伝わっていると私は信じている。来年も活動報告会は行なう予定だ。まず、学生同士で反省会を開き、次につなげよう。みんな、おつかれ!

報告会翌日1月16日(金)から2泊3日で新潟県十日町「妻有」地区に行く。大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2009にむけて、新潟県立十日町病院での活動のため、十日町病院職員さんとの研究会の開催、空き家活用プログラム「やさしい家」の準備、作品制作や企画検討のためのフィールドワークが目的だ。今回は2泊なので、じっくりと学生、スタッフとのディスカッションができる。次の日を気にせず安気に職員さんたちと語り合うことができる。活動報告会が行なわれた前日の疲れはなんのその、メンバーたちは作品プランをより一歩進めるためにより具体的な提案、試作品、プレゼンテーションの素材をきっちり準備している。皆、ほとんど寝ていないと思う。でも、皆の表情はいきいきとしていて、頼もしい。それらの提案や職員さんとのやりとりは後日詳しく報告するとして。
今回は写真で雪の妻有を紹介したい。私たちの印象は「今年は雪が少ない」ということ。地元の皆さんも口々にそう言う。これらの写真はいつもの妻有とは違うと思ってほしい。それと、実際の雪の感触が伝わらないのがもどかしいところだ。妻有の雪は湿っていてずっしりと重い。雪掘りをした際のあの雪の重さ、塊感は否応なく記憶される。そんなことを想像しながら、写真を見てほしい。

からみつく蔦が人工物に生命感を与える。

からみつく蔦が人工物に生命感を与える。

松代にて、雪の中に入ってみる。例年ではこのように入っていくことは難しい。
松代にて、雪の中に入ってみる。例年ではこのように入っていくことは難しい。
かの有名なカバコフの作品が雪の季節の間、棚田からはずされて農舞台に保管されている。
かの有名なカバコフの作品が雪の季節の間、棚田からはずされて農舞台に保管されている。
投げた雪。妻有ではこのように青空が出ていることは稀だ。
投げた雪。妻有ではこのように青空が出ていることは稀だ。
空き家「やさしい家」の床の間。これらの空間は元の特徴を活かして展示スペースとして活用する。
空き家「やさしい家」の床の間。これらの空間は元の特徴を活かして展示スペースとして活用する。
まつおのへぎそば。この透明感。窓の格子は雪囲い。

まつおのへぎそば。この透明感。窓の格子は雪囲い。冬の風物詩だ。