Nobuyuki Takahashi’s blog

森ラックス

14:30足助病院にて研究会。私は文部科学省からの質問に対して回答を準備するため、出発が遅れる。メンバーとは別に自家用車を走らせ、10分遅れて到着。
心なしか発表するメンバーの元気が無い。疲れているのはわかるが、病院サイドの皆さんに元気よくプレゼンテーションしてほしい。だって元気を持ってくるプロジェクトでしょう。ちがう?
「森ラックス」はメンバー古川が取組んでいる作品で、内科処置室の天窓(360センチ×80センチ)に布に描いた作品を展示する。この作品はいくつかの挑戦がある。まず、視点について。患者さんがベッドに横たわり、見上げたところに作品を展示するということ。二番目にバックライトで観る絵画であること。天窓から差す日の光を遮らず、かつ透過した光の中で絵柄が表現されていなければならない。夜になれば外光の照度が落ちて室内照明に照らされる。その状態でも作品として成立しなければならない。
絵画の常識を越えた表現形式ではあるが、古川はのびのびと画面に挑んでいる。その大らかさが本制作では発揮されるだろう。完成が楽しみである。
病棟に行くと「えんがわ画廊」に手作りのおひなさまが飾ってある。えんがわ画廊はそれぞれの病室の傍らにある小さな企画画廊で、一年通じて展示がえを行なっている。年間行事のプロデュースは今回のような季節を重要な要素と捉えてえんがわ画廊と連携しながら進めている。病棟に院内で行なった手作りおひなさまを作るワークショップには30名ほどの患者さんの参加があったそうだ。完成した作品はプロの仕事のような質感ではないが、別の質の高さというものを感じる。そのものがそこにあることの意味の強さと言うか…。すばらしい企画だ。
19:00足助病院を出る。その足で大学までもどる。文部科学省への回答がまだ完成していなかったからだ。質問の内容についてどのように答えるか。聞かれていないことまで答える必要は無いが、必要なことにきちんと答えていないと次の質問がくるだろう。慎重に言葉ひとつひとつを吟味する。
23:00回答が完成し、帰路へ。まだ夜は長い。