Nobuyuki Takahashi’s blog

足助病院 今年度最後の搬入

搬入直後

搬入直後

10:00大学で搬入に必要な材料や道具を積み込み、春日井駅で作品を搬入する学生を拾う。
喉がいがいがする一日。空全体が黄土色に染まる。黄砂だ。
12:30足助病院に到着。作品の搬入にとりかかる。メンバー古川は内科処置室の天窓に透過型の絵画を展示する予定だったが、思いのほか彩色に時間がかかり、今日は搬入のための採寸と吊り金具の確認を行なう。その間にメンバー工藤が小児科待合いで使用する移動式ついたての装飾作品を納品する。そして、メンバー芳賀のクッション状の遊具作品を届ける。メンバー工藤の作品は空間を一変させるのに充分だ。通りがかる患者さんや看護師さんからうれしい感想の声が聞こえてくる。出力した布ではあるが、鉛筆でラフに描いた質感が手描きテイストを醸し出している。他の病院でも要望が出てきそうだ。
メンバーらとアイデンティティーについて、表現の出発点について議論する。アイデンティティーとはその人がその人たることであり、自身の存在がよりかかる心棒のようなものだ。民族的、国家的、宗教的、土俗的、社会的、生物的…。それらの所在は一体どこにあるのか。自分自身で決められることなのか、外側から見出されることなのか、小さく切り刻んで行けば見つけることができるのか…。やさしい美術が活動の場としている病院にはたくさんヒントが隠されているように思う。
ここから先は現場の空気を体感した者のみ知る領域となる。