Nobuyuki Takahashi’s blog

遠慮は要らない

74歳の時計

74歳の時計

朝5:30 娘が起きてきて寝ている私にちょっかいを出す。寝ぼけながらも相手していると、パキンッという鋭い音が耳元をつんざく。ふと目をやると、愛用している懐中時計の風防ガラスが見事にくだけ散っている。娘が振り回した際に括りつけている金具が直撃したらしい。娘に怪我がなかったのが何よりだが。
この懐中時計、1935年の精工舎(現在のセイコー)製で、写真を見ての通り、なんとも枯れた雰囲気である。この好々爺たる懐中時計はぜんまい仕掛けの機械式。中の機械は本ブログで以前紹介した本間誠二さんが調整したものだ。見た目は古くとも今も立派に時を刻む。
さて、壊れた時計。修理はやはり本間さんにお願いすることになった。
今日は担当している授業後に立て続けにやさしい美術プロジェクトのメンバーから制作、作品についての相談を受ける。メンバーにも学生にも「遠慮はするな。どんどん相談しなさい。」と伝えてある。本当に遠慮は要らない。信頼関係にある人からの相談はそれなりの覚悟と気迫があることと私なりに受けとめている。受けとめれば受けとめるほど、私の足腰も鍛えなければならない。その緊張感は失っていない自信はある。かかってこいっ!
本間さんに遠慮なく、私のぼろ時計を預ける。「どうぞ、お送り下さい」という本間さんのお返事。この安心感は何だろう。