3月18日
にじむ絵をかこう2

2010年の活動報告

今年度最後の取り組み「にじむ絵をかこう2」を実施した。

今回は、前回の取り組み「にじむ絵をかこう」に改良を加えた取り組みを用意した。
子どもたちは絵の具のチューブから絵の具をすべて絞り出したい気持ちがあり、絵の具を使う取り組みではいつもしっかり絵の具をチューブから絞り出している。そんな子どもたちの気持ちに応えるために、いくら絞りだしてもかまわない絵の具を用意した。
軽いタイプの紙粘土を、絵の具と変わらないような粘度になるまで水で溶いたものにアクリル絵の具を混ぜて色をつけて、調味料を入れるような容器に入れて絞り出しやすくしたものを絵の具として使用した。

砂遊びが好きなある子は、気温が暖かい日であったため、その日は一日中外で砂遊びをしていた。そこに、前回も使用した木枠にキャンバスのように布をはった支持体を持っていき触らせると、布のピンと張った弾力のある感触に興味をもったようであった。砂遊びをしてはその手で支持体をしっかり触る、を繰り返していた。
支持体には、その子が砂と支持体の感触を楽しんだ軌跡が残された。
前回の取り組みから、絵の具や水を上から流すことに楽しみを覚えた子は、支持体や画用紙のはられた画板をいくつか床に寝かせて並べた。
絵の具の入った容器を渡すと、ふたを外して中の絵の具を勢い良く支持体に落とした。絵の具や水を何度も支持体に流しては、筆でかき混ぜる作業を繰り返していた。
絵の具や水を流したり、筆でかき混ぜる度におきる色の変化をしっかりと確認しているように見えた。
手足の力が弱いある子は、「疲れた」とつぶやきながらも絵の具の容器を両手でしっかり握りしめてたっぷりと絵の具を絞りだしていた。支持体を裏から見たときに絵の具がゆっくり流れていく様や、始めに描いた部分がしっかり残っていることを発見して驚いたり、「きれい」と言って喜んでいた。

今後も、発達センターちよだでの取り組みが子どもたちの新しい可能性を見つけるきっかけとなることを期待し、参加するメンバーにとっても、他者とどう向き合うのかを考える機会となることを願う。