2月24日
平成21年度活動報告会 開催

2009年の活動報告

平成19年度文部科学省現代GP選定事業として最終年度となる活動報告会を学内C-103教室にて開催した。
美術系大学では学生の評価は個人が取り組んだ成果である作品を評価するのが一般的である。ところが「やさしい美術」は社会との接点を持ち、互いの専門性を活かしながら運営していくプロジェクト型授業であることから、学生の関わり方、目標に沿った評価方法を構築する必要性が生じた。そこで現代GP選定を機に学生の取り組みを個人、グループ、全体運営の3つの枠組みに分け、また学生の取り組むプロセスを学生同士で確認し合い、ディレクターがチェックし、活動報告会で成果を発表するといった3つの階層の評価を行っている。今回の活動報告会は1年間学生が取り組んできた成果を発表し、それらを評価委員会が採点と評論文により評価する場となっている。

平成21年度活動報告会 内容
日時:平成22年2月24日(水)13:00〜16:30
場所:名古屋造形大学C-103教室

<現代GP評価委員会>
早川富博(愛知県厚生連足助病院院長)
山本和弘(栃木県立美術館シニア・キュレーター/国際美術評論家連盟aica会員)
鈴木賢一(名古屋市立大学大学院芸術工学研究科教授/工学博士/一級建築士)
東仲雅明(名古屋造形大学准教授/グラフィックデザイナー)
日比野ルミ(名古屋造形大学准教授/美術作家)

第1部【全体報告】

プロジェクト全体の報告:ディレクター高橋伸行

第2部【足助病院、発達センターちよだでの取り組み】

<足助病院に設置した作品4点の発表>

  • 「森ラックス」「天翔る鯉」「ユートピアの木」:古川陽介(日本画2年)
  • 「カーテンプラン」:工藤歩(視覚伝達D4年)
  • 「?(はてな)クッション」:芳賀紗織(視覚伝達D2年)
  • 「どこでも窓」:木谷任志(メディア造形3年)

<発達センターちよだの発表>
ワークショップチーム:佐々木希海(洋画4年)大塚亜有美(洋画3年)

<プロジェクト情報誌「ヤサビのイト」の発表>
編集部:張祐寿(メディア造形3年)

第3部【十日町病院とやさしい家での取り組み】

<十日町病院、やさしい家での広報ツールについての発表>

  • 取り組み概要:川島健嗣(総合造形4年)
  • 広報チーム「でんでん」の運営:工藤歩
  • 「やさしい家」広報ツール/やさしい家ロゴタイプ、リーフレット、のれん(バナー)、やさしい家ポスター:栗田耕輔(視覚伝達D4年)
  • 地域発信のための広報ツール/やさしい美術テープ、「やさしい家Tシャツ」とジョギング:吉山野花(視覚伝達D4年)
  • 十日町病院とやさしい家をつなぐためのツール/でんでん板、ミニチュアモデル、卓上ポスター:小野田典朗(視覚伝達D4年)
  • イベント/きもちのきのみ、やさしい家からの招待状:水野 望(視覚伝達D4年)

<十日町病院とやさしい家で展示した作品5点の発表>

  • 「こんにちは、妻有。」:浅野瑠璃子(視覚伝達D3年)
  • 「むかし、むかし、あるところに」:天野入華(メディア造形4年)
  • 「Color of water」:川島健嗣(総合造形4年)
  • 「HIMMELI「HIMMELIワークショップ」:岡村 香(視覚伝達D4年)
  • 「光と風の天がい」制作:市川沙那恵(視覚伝達D4年):代理発表 川島健嗣(総合造形4年)

【総 括】

  • アンケート調査・分析の発表:ディレクター高橋伸行
  • 作品報告/「コトバノツブ」「コトバノみくじ」:天野入華(メディア造形4年)

今回の活動報告会の特徴は3部構成としたことで学生の取り組みの「枠組み」と「階層」、さらには「活動施設」が明確になった。また、現代GP選定時から準備を進めてきた十日町病院と「やさしい家」での取り組みでは、充実した作品に加え、様々な実験的な広報ツールを編み出していった広報チーム「でんでん」の活躍が目を惹いた。評価委員からは個々の取り組みについて質問と感想が述べられ、会場は熱気に包まれた。
アンケート調査・分析では、病院内で取り組まれる美術、デザインについて感性評価を数値化することにより、ネガティブな印象からポジティブに変化することが判明。活動施設のこれまでの活動の成果がはっきりと表れる形となった。