4月29日ー5月3日
宮城県七ヶ浜にて「ひかり はがき」を手渡し

2011年の活動報告

東日本大震災直後から絵はがきを描きはじめたやさしい美術プロジェクト。
その後、手描きの絵はがきを被災された方々に直接届けることを決意し、その取り組みを「ひかり はがき」と名付けた。

「ひかり はがき」は学内はもとより、愛知県の幼稚園や中学校、絵画教室、個人で描いた絵はがきを募集し、340枚が集まった。
やさしい美術プロジェクトディレクター高橋が4月30日より宮城県七ヶ浜町に赴き、「ひかり はがき」を災害に遭われた方々に手渡した。

今回、ディレクター高橋は愛知県の震災支援窓口の一つNPO法人「レスキューストックヤード」がコーディネートするボランティアに参加。被災地で求められている様々な作業(撤去作業、泥のかき出し、炊き出し、足湯など)にボランティアとして従事した。

ディレクター高橋は、「ひかり はがき」を手渡すために、被災された方々と接する機会が多い「足湯隊」に志願し、七ヶ浜町の2カ所の避難所(震災直後は7カ所だったものが現在2カ所に集約)で足湯を実施。足湯とは、災害に遭い、極限の生活を余儀なくされている人々に足をお湯につけてもらい、手足のマッサージを施して、リラックスしたひとときを過ごしていただくものである。足湯のもう一つの重要な目的は、避難所で口にできない不安や不満を話したり、自らの境遇を語り解放する場でもあること。ディレクター高橋が接した方々のほとんどが家族を失い、我が家が流され、仕事をなくしている。

「ひかり はがき」の手渡しは下記4通りの方法を実施した。同じボランティアチームの皆さんの協力のもと、より多くの方々に「ひかり はがき」が渡るよう工夫した。「ひかり はがき」の届ける方法は次の通り。
1.ファイルに綴じた「ひかり はがき」を閲覧し、気に入ったものを持ち帰っていただく。
2.段ボールなどに「ひかり はがき」を貼付し、気に入ったものを持ち帰っていただく。
3.模造紙に「ひかり はがき」を貼付し、避難所壁面に掲示して、気に入ったものを持ち帰っていただく。
4.ボランティアの仮設拠点「きずな館」にオープンした喫茶室壁面に掲示し、来店された方に気に入ったものを持ち帰っていただく。

※なお、「ひかり はがき」はあらかじめ一枚ずつ透明ビニールでパッケージし、裏面に両面テープを貼付けてある。避難所の間仕切り段ボールなどに貼り、展示することができる。
※足湯の待ち時間や話題のきっかけづくりとして「ひかり はがき」を活用。現地のボランティア活動として了解をいただいた。

「ひかり はがき」を手渡す際に聞かれた声をいくつか紹介する。
「遠くから見守ってくれているんだね。ありがとう。」
「全部手描きなんだ、あったかいね。」
「さっそく、(避難所の壁に貼って)飾ってるよ。」
「きれいだねぇ。」

今回、「ひかり はがき」を直接災害に遭われた方々に届けることの意義を強く実感した。また、現地の状況に合わせていくつかの方法を実践できたのはボランティアのチームワークの賜物であり、様々な活動の一つに取り入れていただいたこと、ここに感謝申し上げたい。

今後も「ひかり はがき」の取り組みは継続します。絵はがきワークショップの現状報告、新たな「ひかり はがき」募集に関しては当ウェブサイトにて情報を発信する予定です。今後とも皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。