3月20日-4月21日
瀬戸内国際芸術祭 春会期 開催

2013年の活動報告

今年、瀬戸内海に浮かぶ12の島と2つの港を舞台にした瀬戸内国際芸術祭2013が開催される。春/夏/秋の3つの会期に分けて開催される今回の芸術祭では、島々の四季を色濃く感じることができる。
やさしい美術プロジェクトは2010年にひき続いて芸術祭に参加し、継続している取り組み{つながりの家}を公開した。

今回の3月20日春分の日〜4月21日の春会期では、合計1271人の来場者が大島を訪れた。
地元高松をはじめ遠方からの来場者も多く、遠くは海外からの来場者も訪れており、大島は芸術祭らしい活気と賑わいに包まれていた。

会期中は毎日こえび隊によるガイドツアーが開催され、来場者は実際に大島を歩きながら島の過去の歴史を伝え聞くことができた。また、この季節は桜やつつじの花などで大島の山が鮮やかに色づき、島に暮らす入所者の方々が日々感じている島の季節の移り変わりを肌で体感できた。

{つながりの家}の取り組みでは、今回新たに作品「海のこだま」「大島資料室」「北海道書庫」が公開された。
「海のこだま」は、かつて入所者が暮らしていた15寮全体を作品化し、入所者・故鳥栖喬氏の遺した写真作品や大島に唯一残った木造船などが展示されている。島の時間とともに移ろう光のなかでそれらを鑑賞することで、大島の記憶と入所者の生きた証に触れる事ができる。
「大島資料室」「北海道書庫」は15寮と同じ「北海道」と呼ばれる地区の一般寮の部屋に併設され、入所者の遺した蔵書が閲覧できるとともに、古い写真や自助具、義足などが展示された。

また3月31日には貯水池を一般公開するツアーが開催された。
大島の南の山の中腹にある貯水池は、かつて700名もの人々が暮らしていた時代に入所者の命をつないだといわれ、島の歴史を語る上で欠かすことのできないものである。
当日はこえび隊のガイドにより、約20名の参加者が貯水池を訪れた。

2010年の芸術祭に合わせ「大島をあじわう」というテーマのもとオープンした「カフェ・シヨル」は2度目の芸術祭を迎えた。
前回の芸術祭終了後も一般公開日に合わせ、毎月2日間のみの営業を行ってきたが、今回の芸術祭会期中には月1回の通常営業に加え、毎週土日にお茶とお菓子を楽しめる限定営業日を設けた。
全10日間の営業日に、425名の来場者や島の入所者、職員さんにご利用いただいた。
メニューには大島の野菜名人が手塩にかけて育てた野菜を使ったランチやお菓子、その昔入所者の手で作られていたお菓子の復刻版など、今の大島でしか味わうことのできないものが並んだ。

次回の瀬戸内国際芸術祭2013 夏会期の開幕は、7月20日となる。
夏会期までの期間も{つながりの家}の取り組みは、月2日間の一般公開日を設け、ガイドツアーの開催やギャラリー/貯水池の公開、カフェの営業を行う予定である。