8月12日
小牧市民病院 外来 第2回研究会

2016年の活動報告

小牧市民病院 外来での今年度第二回の研究会が開催された。

小牧市民病院からは、医師・看護師長・事務局の職員らが出席した。

 

研究会では、今回新たに学生メンバー2名から提案した産婦人科デイルームと生理検査室前の廊下の作品プランが検討され、加えて前回の研究会で学生メンバーから提案された新生児室の作品プランとデザイナーの柳 智賢による外来受付階段の作品プランについても引き続き検討が行われた。

 

産婦人科デイルームの作品プランは、絵や文字を特殊な紙に穴を開けてデザインし、紙をオルゴールに読みこませることで独特の音色を奏でる作品。

産婦人科デイルームは出産を間近に控えた方や出産を終えた方、ご家族の方の憩いの場所である。

出産と子供、家族、友人、職員が音色を体験し合うこの作品プランは、病院サイドに興味を持つ方が多く質問や意見が飛び交った。 

作品の発想について賛同の声が多くきかれたが、質疑応答の中で作品の具体的な展示方法や、管理方法など新たな課題が浮かび上がった。

 

続いて、生理検査室前の廊下作品プランについて検討を行った。

この廊下には検査用に血液サンプルを送るダクトが設置されており、現在やさしい美術プロジェクトによってダクトを装飾する作品が展示されている。

作品の老朽化に伴い、今回学生メンバーから作品プランを提案し、検討を行った。

1つ目のプランは廊下を水族館に見立てて、泳ぐ魚や流れる水を描きこんで表現するという案。

廊下は常に人が往来する場所なため、視線が移動していくことも考慮が必要なこともあり流れるような工夫が検討された。

2つ目のプランは、色面で構成された結晶イメージをダクトに貼り付けるという案。

平面を折りたたむことで立体的に見える作品だが、無機的で尖っている図案は冷たく感じられないかとの意見があがった。

 

そして第一回研究会にて提案した新生児室の名前カードについて具体的なグラフィック案を提示し検討を行った。

この作品プランは、新しく産まれた新生児の「親の名前ベビー」に加えて性別、体重を記載するカードをデザインするもの。

 

図案のモチーフは青空と虹、リボン、雛の餌を届ける小鳥の3種類のグラフィック案を検討した。

色使いや文字の位置など実用に向けて細かく具体的な話し合いが行われた。

 

最後にデザイナーの柳 智賢氏による外来受付階段の作品プランの検討を行った。

柳 智賢氏は緩和ケアで4年にわたりデイルームとナースステーションを隔てる壁に設えられた丸いガラス窓とその周辺に四季に合わせて透明シートに動植物をデザインして空間を演出する作品を展開しており、今回はそれらの作品を再構成したものである。

 

半透明の厚手のトレッシングペーパーに印刷し、階段踊り場に天井から吊るす予定。

 

円形窓の作品は病院の職員や利用者にも広く親しまれており、それらが今度は外来の利用者にむけて展示され、階段を登り下りする方にどう体験されるか、詳細にわたって検討された。