Nobuyuki Takahashi’s blog

2012年 6月のアーカイブ

十日町病院でのワークショップ提案

2012年 6月 29日

お昼に十日町に到着。地元名物へぎそばを食す。こののど越し、たまらない。 駅から歩いて15分ほどのところに新潟県立十日町病院はある。今回の妻有入りは9月に行う予定のワークショップの打ち合わせのため。これまでに2006年に非公開プロジェクトとして院内各所に作品を展示、2009年には病院のすぐ傍らにある空き家「やさしい家」を拠点に、病院の日常にこまやかに対応するプロジェクトを実施した。院内に入る前に是非とも「やさしい家」に会いに行きたい。 そう、「会いに」と書いたのは、他でもない私にとって、そして一夏をいっしょに過ごしたメンバーらにとって、あついあつい思い出の場所だからだ。 「一生のうちで二度とない体験ですよね。」と吐露した学生も少なくない。雑魚寝で隙間なく埋まった2階の和室。2台の一升炊きの炊飯器がフル稼働で、おにぎりを握りまくったあの日。院内に展示する作品やワークショップの実施方法について夜を徹して議論を重ねた日々。鮮明な記憶が蘇ってきて胸があつくなる。
「やさしい家」と挨拶を交わしたあと、十日町病院へ。さっそく十日町病院塚田院長にご挨拶。院長は相変わらず体格も立派だが、人柄の大きさ、おおらかさが全身からあふれている。会うだけで胸がいっぱいになった。 院内をくまなく歩くと2009年に制作した作品の一部が飾られていたり、活用されているのを見つけることができる。たとえ多くの利用者さんが行き交い、毎年職員さんの移動があっても、忘れないでいたい記憶というものがある。その一つに数えられている私たちの活動。言葉にならない。 9月に行う予定のワークショップについて塚田院長と上村事務長補佐と打ち合わせ。あいまいだった実施方法、ワークショップの方向性が私たちの提案に呼応するようにまとまっていく。お互いの信頼感から建設的な議論が交わされていく、この臨場感が心地よい。 打ち合わせの後も再度院内をつぶさに歩く。人の導線、担当者の配置、タイムラインの構成…が鮮明にイメージされる。 やっぱり現場での検討が一番だ。持ち帰る宿題は山盛りだが、ワークショップの実施イメージは固まった。 イメージできることは必ず実現できる。
ワークショップは「震災支援」へと方向を定めることができた。病院で行うことの意味、中越地震に遭った当地、十日町で行うことの意義―。



つきぬける風

2012年 6月 20日

ハンセン病療養所大島での取り組みの、現在の主軸はカフェ・シヨルである。
先日、自治会長の山本さんがおっしゃった。
「大島の一番の課題は今をどう生きていくか。」
もちろんその言葉の背景には人として生きる尊厳を奪われた入所者の皆さんが今現在をいかに充実したものとするか、ということに他ならない。
その意味でたとえ将来構想が立てられたとしてもそれは今の入所者の暮らしと地続きでなければならない。
カフェ・シヨルは今の大島に深く関わり、並走しているプロジェクトだ。
人々からは「奇跡の島カフェ」と呼ばれている。

ぬくもりの里での取り組み{みんなの家}スタート

2012年 6月 13日

6月6日。授業を終えてすぐに豊田市旭町にある老人福祉センターぬくもりの里へ。
5月末に契約の手続きが完了し、ぬくもりの里での取り組み{みんなの家}をスタートさせる。
昨年に準備会として調査研究を進め、年度末に答申書を作成、その内容が認められ、2012年度の豊田市社会福祉協議会重点事業としてアートプロジェクトを展開することになった。
当初はスタートが一年遅れたと言う印象があったが、昨年の調査研究の期間は大変有意義なものだった。まず、委員会構成からして、施設のそして地域の「本気度」が表れている。豊田市役所支所長、交流館館長をはじめ、中学校教師、各コミュニティー会議 からも代表者を集め、そこに施設職員を加えて「やさしい美術委員会」を発足。施設内にとどまらず、そのムーブメントを施設周縁へと拡げるエネルギーがあった。
やさしい美術プロジェクトの作品や活動を知っていただく機会として施設見学を行い、自由闊達な議論が繰り広げられた。その後も幾度かブレーンストーミングを行ったが、その話題の大半はアートや作品についてではなく、急激な過疎化と超高齢化の進むこの旭地区で幸せに生きていくための夢を語る場であった。
こうして計7回のワークショップを行い、その総括として私からキーワードを提示した。それは以下の通りだ。
―老いをオープンに―
・皆で一つのものを。
・誰もが参加できる。
・誰もが入って行ける。
・入るきっかけと理由がある。
・たえず変化し続ける。
このキーワードを立ち帰るところとしたい。本取り組みを{みんなの家}と名付けた。

久々の投稿

2012年 6月 7日

最近はtwitterの活用でこちらのblogから足が遠のいていた。
気持ちを新たにして、週に一回は投稿しよう。twitterの方はほぼリアルタイムの動きを伝えているのでご一読を。

このところ作品搬入、研究会が続いている。今週は小牧市民病院緩和ケア病棟、ぬくもりの里、またまた小牧市民病院渡り廊下、週末にはハンセン病療養所大島でもミーティングと瀬戸内国際芸術祭に向けての制作準備。
こうなってくると、馬力よりも段取りの良さや体調管理がとっても大切。

しかし、学生が関わる作品搬入やプレゼンテーションとなると、私が先回りをしてすべて段取りを組んでいては学生の学びにつながらない。非効率であっても、準備不足や段取りの悪さが自分自身に返ってこないと次につながらない。

一日棒に振ることもあるさ。じっと様子を見て我慢するのも、とっても大切。