Nobuyuki Takahashi’s blog

Archive for the ‘ぬくもりの里’ Category

ぬくもりの里での取り組み{みんなの家}スタート

2012年 6月 13日

6月6日。授業を終えてすぐに豊田市旭町にある老人福祉センターぬくもりの里へ。
5月末に契約の手続きが完了し、ぬくもりの里での取り組み{みんなの家}をスタートさせる。
昨年に準備会として調査研究を進め、年度末に答申書を作成、その内容が認められ、2012年度の豊田市社会福祉協議会重点事業としてアートプロジェクトを展開することになった。
当初はスタートが一年遅れたと言う印象があったが、昨年の調査研究の期間は大変有意義なものだった。まず、委員会構成からして、施設のそして地域の「本気度」が表れている。豊田市役所支所長、交流館館長をはじめ、中学校教師、各コミュニティー会議 からも代表者を集め、そこに施設職員を加えて「やさしい美術委員会」を発足。施設内にとどまらず、そのムーブメントを施設周縁へと拡げるエネルギーがあった。
やさしい美術プロジェクトの作品や活動を知っていただく機会として施設見学を行い、自由闊達な議論が繰り広げられた。その後も幾度かブレーンストーミングを行ったが、その話題の大半はアートや作品についてではなく、急激な過疎化と超高齢化の進むこの旭地区で幸せに生きていくための夢を語る場であった。
こうして計7回のワークショップを行い、その総括として私からキーワードを提示した。それは以下の通りだ。
―老いをオープンに―
・皆で一つのものを。
・誰もが参加できる。
・誰もが入って行ける。
・入るきっかけと理由がある。
・たえず変化し続ける。
このキーワードを立ち帰るところとしたい。本取り組みを{みんなの家}と名付けた。

ぬくもりの里 新たな船出

2011年 5月 9日

宮城県から香川県まで、相変わらず移動距離が伸びる日々が続く。震災支援「ひかりはがき」のサポートをしてくださった方々にご報告しなければならないが、その時間も許されない慌ただしさ。授業を終え、すぐに大学を出る。今年度から新しく取り組みを展開する「ぬくもりの里」へ打ち合わせに出かける。ぬくもりの里は山間部である豊田市旭町にある老人福祉センターだ。青木所長の根強いお誘いがあり、今年度からスタートさせることになった。どんな取り組みも助走が必要だ。今年に関しては準備および調査にあて、来年度から予算をつけていただき、本格的な取り組みを展開する運びだ。
17:30 ぬくもりの里に到着。青木所長と社協の永井係長とじっくりと話し合う。時折開いている窓からひんやりとした風が頬をなでる。山の空気だ。社会福祉協議会の方にもこうした準備の段階で入っていただけるのは、正直驚き、そしてうれしく思った。50名に満たない職員で運営している当施設にとって、アートの取り組みを取り入れるにはよほどの理解と全員参加による組織力が不可欠。それを見越していることがこうした姿勢によって伝わってくる。旭町は山深いところだ。お年寄りが多く、一人暮らしの方も多いと聞く。世間の目はとかく都市部に向けられるが、やもすれば顧みられることのない当地のような場所こそ、心の通った仕組みづくりが試みられなければならない。やさしい美術の出番である。
7月から定例の研究会を開くことになった。研究会の構成員にはぬくもりの里の職員ばかりでなく、地域の要人にも参加を呼びかけるという。助走段階ではあるが、意気込みは本番さながらである。このブログでは正式に決まったことのみ載せることになるが、その勢いはその都度報告していきたい。