Nobuyuki Takahashi’s blog

ぬくもりの里 新たな船出

宮城県から香川県まで、相変わらず移動距離が伸びる日々が続く。震災支援「ひかりはがき」のサポートをしてくださった方々にご報告しなければならないが、その時間も許されない慌ただしさ。授業を終え、すぐに大学を出る。今年度から新しく取り組みを展開する「ぬくもりの里」へ打ち合わせに出かける。ぬくもりの里は山間部である豊田市旭町にある老人福祉センターだ。青木所長の根強いお誘いがあり、今年度からスタートさせることになった。どんな取り組みも助走が必要だ。今年に関しては準備および調査にあて、来年度から予算をつけていただき、本格的な取り組みを展開する運びだ。
17:30 ぬくもりの里に到着。青木所長と社協の永井係長とじっくりと話し合う。時折開いている窓からひんやりとした風が頬をなでる。山の空気だ。社会福祉協議会の方にもこうした準備の段階で入っていただけるのは、正直驚き、そしてうれしく思った。50名に満たない職員で運営している当施設にとって、アートの取り組みを取り入れるにはよほどの理解と全員参加による組織力が不可欠。それを見越していることがこうした姿勢によって伝わってくる。旭町は山深いところだ。お年寄りが多く、一人暮らしの方も多いと聞く。世間の目はとかく都市部に向けられるが、やもすれば顧みられることのない当地のような場所こそ、心の通った仕組みづくりが試みられなければならない。やさしい美術の出番である。
7月から定例の研究会を開くことになった。研究会の構成員にはぬくもりの里の職員ばかりでなく、地域の要人にも参加を呼びかけるという。助走段階ではあるが、意気込みは本番さながらである。このブログでは正式に決まったことのみ載せることになるが、その勢いはその都度報告していきたい。