Nobuyuki Takahashi’s blog

大島 畑仕事

最近は大島に滞在する時間が短くなってしまった。なおかつ滞在する間は取材に応じたり、事務的な仕事でほとんどの時間が取られてしまう。とは言ってもどれもディレクターとしては大切な務めだ。大島のことをできるだけ多くの人に知ってもらい、気に留めてもらう。そのためにはどんなことも積み重ね、誠実に向き合って行かねば。

昨日大島に入る時はまた嵐になるのではと心配していた。というのも、ここのところ私が大島に立ち寄る度に大しけになるのだ。官用船の船長にも冗談まじりに言われたことがある。いよいよ金比羅山を参拝しなければと思っていたところ。
今朝の大島から見る海は金色だ。黄砂の影響は名古屋だけではない。ここ瀬戸内も黄砂の靄に包まれている。カフェ・シヨルの運営担当泉と井木は朝早くからカフェのある第二面会人宿泊所で開店前の準備に追われる。私は少し遅れて滞在場所の野村ハウス=12寮を出ると、軒先で入所者の野村春美さんと出会う。ゆったりと世間話をしていると旦那さんの宏さんが自転車でやってきた。そのまま一緒に畑仕事をすることになった。トマトの木が花をつけている。トマトに添え木をして紐で結びつける。ハンセン病の後遺症で手が不自由な入所者の皆さんにとって骨の折れる仕事である。すいか、ごうや、ぼっちゃんかぼちゃなどが順調に枝を伸ばしている。昨年はあまり芳しくなかったごうやが快調に蔓を絡ませつつ成長。野菜作りは今を大切に感じ、明日を見つめる営みだと思う。野村さん夫婦はこの大島で60年もこの営みを繰り返してきた。歳月の重みはあっても、野菜は60年前と違わず、今この時を生き、来るべき明日に実を成らせる。野村さんと畑仕事をして身も心もほぐれていく。

野村さんと畑仕事をする

土を松葉で覆う、大島独特の農法

昨年実ったおくらの花の種をまく