Nobuyuki Takahashi’s blog

ぉあたぁっ!!

私のヒーローはあしたの「ジョー」こと矢吹丈、それとドラゴンこと「ブルース・リー」。
ぉあたぁっ! とはブルース・リーの気合いの声だ。ギターヒーローはやっぱりジミーヘンドリクス。B.Bキング…
まぁ、これぐらいにして―。

作品の埃を拭い取る

午前中は企画書のブラッシュアップ、メールやファックスの返事を出したり、対応に追われる。
13:00 1、2年次の授業。3年次の産学共同MOZOディスプレイプロジェクトの対応。
16:00 スタッフ川島とメンバー森を自家用車に乗せて小牧市民病院へ。
東5病棟のデイルームの作品プランを検討する。
小牧市民病院での取り組みは3年前までは院内に独自の検討委員会を編成していただき、各部署のドクターや看護師、検査技師ら20名ほどの病院職員と私たちやさしい美術プロジェクトとで毎月研究会を開いていた。小牧市民病院は500床を越える典型的な急性期病院だ。職員の皆さんは研究会で顔を合わせても常に顔面蒼白、緊張感がはりつめている。予断のゆるさぬ状況の患者さんを多くを受け入れている病院ならではの空気感だ。公立の急性期病院で7年間も協働関係を継続し、運営のための委託料を得ながら進めてこられたのは奇蹟に近いと振り返ってみて思う。他の地域で行われている同様の病院との協働プロジェクトと比較しても稀なケースである。
4年続いた委員会による検討は時間的にも体力的にも委員会に所属する職員さんを圧迫していた。また、作品の設置場所の検討となると、関係部署の意見や検討項目の吸い上げは調整役となる委員に負担が集中し、意見の吸い上げ自体も困難という状況だった。
職員を対象にアンケートをとってみて判明したが、本取り組みが病院の正式な委託事業であれ、現場サイドの職員全員が私たちのプロジェクトを歓迎している訳ではない。日々の仕事で精一杯なのだ。それは、確かにそうだ。職員の皆さんは「命」をあずかっているのである。そこに飛び込んでいき、アートの実践を行うということ自体、本当に意義があるのだろうか、そんな疑問を持ったことも一度や二度ではない。そうして揺さぶられるたびに私は病棟に行き病院利用者の皆さんの顔を見ながらゆっくりと歩いてまわった。手術の跡をおさえながら点滴棒片手に歩く人。ステレッチャーに乗せられた人に声をかけながら足早に検査室にはいる人、熱冷ましシートをべたべたに貼られ泣き叫ぶ赤ちゃんとそのお母さん…。私が関わっていることが何なのか、向き合うべきことは何か、自らに問う。そして私の中にある「きっと何かできるはずだ。」という気持ちに火が着くのだ。もどるべき原点はそこなのである。
3年前からは当年の担当部署の職員と直接意見交換、検討を重ねながら作品提供を行う体制に移行した。
前置きは長くなったが、今日は東5病棟の看護師さんに時間をとっていただいて作品検討を行った。東5病棟は泌尿器科にかかる患者さんが多い病棟だ。男性が9割をしめるという。試作品を見せたところ、快諾をいただいた。あとは現場で微調整をしていくことになる。
作品検討ののち、現在展示中のすべての作品を点検する。ここ最近時間に余裕がなく、断片的にしか実施できていなかった作品メンテナンスを粛々と進める。
作品の埃を取り払いながら一点一点向き合う。その度に数々の研究会での議論が昨日のことのように思い出される。そうだ、私はここにあるすべての作品に全力で関わってきたし、立ち会ってきたのだ。そこに一番ふさわしいかたちで存在感を放っている作品たち。その声が私を奮い立たせる。
(私にもっとパワーをください!きっとやりとげますから。)

ステーの矯正作業

20:00 スタッフ川島とプロジェクトルームに戻って来る。明日搬入する「えんがわ画廊」の準備を進める。廊下表示灯の内部の固定金具を流用してステーを取り付け、その先に半円形の縁が取付けられている。この縁の部分が小さな小さなギャラリースペースとなっている。ステー部分はアルミの板になっており、この2、3年の間に曲がり、歪んでしまっている。それらのゆがみを矯正する作業にとりかかる。金属加工の経験がほとんど皆無のスタッフ川島には残念ながら任せられない。川島に「アルミと鉄の固さや感触の違いってわかる?」と聞いたところ、「やったことがないのでわかりません。」とのこと。理屈でなく身体で覚えるものだ。体得といったらよいか。職人的な仕事から遠ざかる時流に、必要な場面もあることを知っておいてほしい。アルミの板材にどれほどの力を加えて歪みをとっていくか、金属特有の跳ね返り分も計算して力を加えていく。アルミは曲げ加工に弱いため、極端に力がかけられない。一度折れるまで何度も曲げてみるとその特徴はよくわかるが、今日はその時間もない。
21:00 作業終了。川島が固定部分の増締めを手伝ってくれたおかげで手早く完成することができた。おつかれさま。あー明日が楽しみ。メンバーの古川、小川が今頃作品の仕上げにとりかかっているだろう。
ぉあたぁぁっ!!