Nobuyuki Takahashi’s blog

奥行きのある表面

小原のチキンハウス

小原のチキンハウス

日曜日にひさしぶりに小原村に行く。私がかつて住んでいた小屋周辺の草刈りをするためだ。私は大学を卒業後、約8年間をここで過ごした。現在は住まいを名古屋市内に移したが、大家さんのご好意にあまえて、いまだこの場所をお借りしている。
写真を見ての通り、鶏舎小屋である。周囲100mに家屋はない。ここに来た理由ははっきりおぼえていないが、何を思ったのか、「自分で自分の生活を作ってみたい」というぼんやりとした決意があったのをおぼえている。最初は電気、水道などのいわゆるライフラインは皆無だった。
村に入り、「寄り合い」に出席する。「お役」という村総手で草刈りをする。お葬式があれば、一緒に準備をする。気がついたら私は村の「家族」になっていた。
山の中とは言え今日は暑い。エンジン草払い機を置き、一休みする。山の中の日は早く沈む。山向こうにある日が雲に反射し、金色の光が私の周りを照らす。この一瞬に出会えることがとても愛おしく感じる。「自分」という表面をもった殻はゆっくりととけ、放たれていく。

鶏舎小屋を改造しているところ

鶏舎小屋を改造しているところ