Nobuyuki Takahashi’s blog

宮城県七ヶ浜町 モニュメントプロジェクト始まる

4月4日から6日まで、宮城県七ヶ浜町に行ってきた。
災害救援NPOレスキューストックヤード(※以降RSYと表記)との連携で新しいプロジェクトを始めるためだ。 RSYは東日本大震災直後に現地に入り、災害救援、支援活動を展開。私はRSYがコーディネートする第3陣ボランティア派遣活動に参加したのが縁で、仮設住宅の表札を作るワークショップ、その後は仮設店舗の看板を作るワークショップを担当した。いずれも瓦礫を単なる瓦礫としてでなく、記憶を宿した大切な資源として活用。津波で流されてしまったお宅のかろうじて遺った土台木を活用して制作した。
東北行きは昨年の10月に「森をつくるおりがみMorigami」(デザイン:谷崎由紀子)を手渡しする活動で訪れて以来半年ぶりだ。七ヶ浜町のボランティアセンター前に設置された「きずな館」にいつもお世話になっていたが、3月末に閉所式があり、4月中旬にプレハブは解体されるとのこと。RSYは新拠点に移転して、ひきつづき現地で支援活動を続けるそうだ。その取り組みの一つとして「きずな公園」を整備する計画が進んでおり、私たちは公園内に設置する予定のモニュメント制作を受け持つことになった。
さて、今回の七ヶ浜行に話しを戻そう。
電車とバスを乗り継ぎ、13:00に七ヶ浜町に到着。お腹がすいたので仮設店舗「七の市商店街」のお店の一つ、「夢麺」へ。「いらっしゃい!!」威勢のいい大将の声。久しぶりの再会だ。塩ラーメンと餃子を食す。
ラーメンを啜っているとRSYの浦野さんから電話が。「今日のワークショップの打ち合わせをしましょう」とのこと。食事を済ませてそのまま中央公民館へ。RSYの代表理事栗田さんと初めてのご挨拶を交わし、さっそく今日行うワークショップの打ち合わせに入る。
13:30RSY主催のワークショップ「きずな公園を作ろう」が始まる。住民の皆さんが30〜40名ほど集まっているだろうか。親子連れも多く、皆で子どもたちの公園を考えて行こうという機運に満たされている。
栗田さんの歯切れのいい司会で、ワークショップは進んで行く。
植栽や複合遊具などを請け負うのは岩間造園株式会社。基本構想の説明が続く。公園整備事業を全面的にバックアップするのはブラザー工業株式会社だ。
モニュメント制作に関してはたった5分の打ち合わせの後だったが、私の方から住民の皆さんにいくつかポイントを説明した。「ここ七ヶ浜町にあるものを使います。」「ここで暮らしている皆さんといっしょに作ります。」と呼びかけ、ひとりひとりが思い描いている七ヶ浜町、町でのこっているもの、のこしたいもの、後世に伝えたいこと、大切にしたいこと、町の誇り、宝などのキーワードを挙げてもらうようお願いした。
ワークショップは7〜8名のグループがそれぞれテーブルを囲んで進められて行く。小気味よく時間を区切って、ひとりひとりの思いや考え、アイデアなどを集め、付箋でマッピングして行く。ブレーンストーミングの集合体と言ったら良いか、活気のある議論がそれぞれのテーブルで交わされている。
14:30それぞれのグループの意見の集約を試みて、発表する。大人だけのテーブル。子どもたちだけのテーブル。女子グループだけのテーブル…。論旨をまとめるというよりは一つのものを皆で生み出して行くための言葉と感性のかけらを集め、それを皆で共有する場。私たちはそれを引き受けて次なるプランを構築して行くことになる。15:00ワークショップ終了(つづく)

きずな館と救援活動用のベンツジープ