Nobuyuki Takahashi’s blog

妻有研修 十日町病院へ

8月8日
前日のプレゼン大会のあと、十日町病院での活動形態やスケジュールを提案するための提案書、空家活用プログラムのコンテンツ案を作成する。どちらも気が抜けない。十日町病院の皆さんは私たちからの提案をとても楽しみにしている。翌日9日の空家の視察にはアートフロントギャラリーの柳本さんとトリエンナーレ総合ディレクターの北川フラムさんが同行することになっている。できる限り丁寧な提案書を作り、前にすすめておきたい。明け方まで準備に追われ、6:00就寝。7:00に起床し、集合場所の春日井駅へ。
今回の妻有研修旅行は私とスタッフ4名、リーダー3名の総勢8名でレンタカーに乗り込む。スタッフたちが交代で運転してくれる。ほんとに助かる。新潟県十日町までの道のりでできるだけ体を休める。
15:00に新潟県立十日町病院に到着。妻有も名古屋と同様晴れでとても暑い一日になりそうだ。まず、事務の井沢さんの案内で外来病棟、検査室、病棟などのすべての施設を視察する。2006年の前回トリエンナーレの後にこの病院では「ミナーレ」という病院職員によるアートボランティアが立ち上がり、独自の方法で病院内の環境に配慮している。私たちやさしい美術プロジェクトとのコラボレーションがきっかけになっているとのこと、私たちの活動が波紋のように広がっていくのを感じる。うれしい。院内すべてのカーテンがピンクに統一されていて、院内の光が暖色系に染まりあたたかい印象を受けた。
16:00十日町病院塚田院長、事務部長、看護師長らとプロジェクトとで研究会を開催する。院長からはトリエンナーレもさることながら、数年後予定されている新設の十日町病院の設計段階から関わってほしい、とお話がある。そう、この活動は5年10年という時間の流れの中で動き始めているのだ。私の方からこれからトリエンナーレにむけて進めていく協働プロジェクトの概要、空家活用を含めた活動形態、スケジュールを説明する。さらに病院内に病院職員による検討委員会を設置してもらうようお願いする予定だったが、配布された資料に目を移すと名簿らしきものが…なんと、すでに「やさしい美術プロジェクトチーム」が発足されている!これにはびっくり。今回の研究会ではお互いが受け身でなく、前向きな空気が充満していた。
18:00から十日町駅近くの「寿美恵」にて宴会。ここには前回のトリエンナーレでお世話になり、現在は松代病院の事務部長をつとめる早川さんも合流(当時早川さんは十日町病院の事務長補佐だった)。忙しい中駆け付けてくれて妻有の人々の情のあつさに心打たれる。学生もスタッフも心開き、病院の皆さんと打ち解けている。このひとときがこの上なく楽しい。「寿美恵」の料理は家庭料理が基本。煮物も揚げ物もすべておいしい。ひときわ目を引いたのは真っ赤なトマト。井沢さんの奥さんの実家で採れる無農薬の野菜だそうだ。「野菜はかたちがいびつな二級品の方が味がいい。」という話が印象に残る。私は歪んだ野菜のポートレートを写真に記録して病院に展示しようと思っている。ホテルしみず屋にて宿泊。