Nobuyuki Takahashi’s blog

2010年 1月 9日のアーカイブ

大島 新年会

2010年 1月 9日

7:00起床。 もっと早く起きる予定だったが、疲れが祟ったか。泉も井木もほぼ同じ時間に目を覚ます。朝食の準備をし、パンにメープルシロップやプロセスチーズをのせて食べる。コーヒーはカフェで出す豆の試飲も兼ねている。うまい。私はカメルーンが好き。

メークインを畑に植える。

メークインを畑に植える。

9:00 いつもより風がおだやかだ。この時期風の強い日が続くそうだが、今日は過ごしやすい1日になりそうだ。大島の北、入所者大智さんの畑に行く。もちろん録音機とカメラを携えて。
大智さんは先に来て畑をかまっていた。メークイン(じゃがいも)を植えることになり、30センチピッチで土に埋めて行く。人参のまわりの雑草を抜く。ブロッコリー、キャベツを収穫する。これらの野菜はカフェでケーキにして出す予定だ。大島の土と日差しを浴びて育てられた野菜や果物を来場者に食べてもらうことで大島を肌で感じてもらう。
しばらくして入所者の東條さんが畑作業に来る。大智さんとの声の掛け合いが始まる。待ってましたとばかりに録音機をセットする。私が録りたいのは、「音」ではなく、畑に共鳴し、生き物と風の息吹を含めた音場、空間を録りたいのだ。聞きながら目を瞑ると情景が見えてくる、そんな空間をギャラリーに再現したい。
10:30 畑のお手伝いを終えて、面会人宿泊所にもどる。少し早めの昼食を作り始める。例によって冷凍麺によるぶっかけうどん。さきほど収穫したブロッコリーとほうれん

植えたイモに水をやる。

植えたイモに水をやる。

草を電子レンジでチンして食べる。芳醇な味わいにノックアウトで3人とも泣きそう。
13:00 昼食後はギャラリー15寮に行く。途中で11寮に住んでいた野村さんと会う。この年末年始に11寮を引き払い、新築の棟に引っ越しした野村さん。野村さん宅でいただいたかつおのたたきを思い出す。
独身寮5室が長屋のように連なる15寮はギャラリーとして整備するが、入所者の暮らしを伝えるために、できる限りそのままで使う予定だ。車椅子用のスロープの他、縁側で各部屋の壁をぶち抜いて廊下でつなぐ工事をする。今日はこの壁をぶち抜く作業だ。
私は大工仕事、内装工事などを経験しているので、どのように施工されているかがわかる。福祉室から借りたバール、ハンマー、手のこなどを使ってばんばん壁をぶちぬいていく。
15:00 ほぼ廊下が開通。それほど難しい作業ではない。その間泉と井木は掃除が残っていた一室を徹底的に掃除してくれている。
休憩を入れて、その後は片付け。かなりゴミが出たので、その処理に時間がかかる。
16:30 日が暮れる前に作業を終える。今日は3人ともよく働いた。面会人宿泊所にもどり、作業着から着替える。
17:00 福祉会館に行く。今日のメインイベント「新年会」だ。入所者の山本さん、大智さん、磯野さん、職員の岩田さん、そして私たち3人の計7人が集う。職員食堂のおばちゃんが用意してくれた食べ物とお刺身、お寿司が並ぶ。酒瓶が何本も並んでいる。カラオケを歌ったり、お話ししたりで、なんとも楽しい時間。芸術祭に向けての率直な疑問や意見も聞けた。何よりもこうして入所者の皆さんのお誘いがあって、楽しい時間が一緒に過ごせることがうれしい。
入所者の磯野さんは全盲で盲人会の会長だ。人柄は大らかで壁がなく、人望も厚いと聞く。となりに座っているだけでエネルギーをもらう、そんな印象だ。カラオケの時は人一倍手拍子を打って、場を楽しくもりあげる磯野さんは入所者、職員のあいだでも尊敬されている。
21:00 新年会を終える。残りの料理は私たちが貰い受け、明日に食べることにした。
24:00 お風呂に入り、就寝。

壁工事。5室全部が開通した。

壁工事。5室全部が開通した。