Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 12月 2日のアーカイブ

空間をつくる

2009年 12月 2日

2年次の修了制作はプロジェクトだ。みっちり2週間ディスカッションをして、学生自身で企画を立て、コンセプト、テーマを構想し、実施モデルを計画し、実行に移す。もちろん私もディスカッションに加わる。方向性を探る上で過去の例やアーティストの仕事を参照しながら、今私たちがどこに向かおうとしているのかを検証する。私から指示することは基本的にはない。できる限り学生たちの自発的な力を信じて自分たちで決めさせる。制限はいくつかあるけれど、その制限を説得する機会は与えるようにしている。今回は予算3万円で、と話したが、学生に実施モデルを試算させると5万円周辺まで膨らむことがわかった。それでも、実現したらおもしろいー。研究室で話し合い、他の授業との関連、実習費等を考え合わせ、5万円まで、ということで手を打った。
今回彼女、彼らが構想したのは、展覧会というよりはそれを前提とする空間の提示だった。「Door」展と名付けられたその企画はアトリエに6つの部屋をつくり、それぞれドアを設置して「こちら」と「向こう」を創り出すというもの。大工仕事は1年の時に私が手ほどきしたのでそれほど抵抗感はないだろう。とはいえ、規模が大きく相当の飛躍だ。
皆で決めた道。「ぜったいできる。あきらめなければ。」
不思議だ。毎日もめたり、せめたり、文句言いながらも、結構楽しく作業している。欠席もなくなった。空間は体当たりでつかむもの。その結果空間には関わった時間が刻まれる。

空間の大きさは体を使っておぼえる。

空間の大きさは体を使っておぼえる。

寸法を間違いながらも実現に向かう。

寸法を間違いながらも実現に向かう。

道具の使い方、人手の使い方がわかってくる。

道具の使い方、人手の使い方がわかってくる。

垂直と水平がとれている軸組は美しい。

垂直と水平がとれている軸組は美しい。

石膏ボードで壁をつくる。

石膏ボードで壁をつくる。