Nobuyuki Takahashi’s blog

2009年 12月 28日のアーカイブ

大島 年末のごあいさつ

2009年 12月 28日

片付けがほぼ終了したSpace+。

片付けがほぼ終了したSpace+。

昨日は終日Space+で片付け作業。大方のものは整理がついた。大荷物が多く、重労働だったが、腰が痛くなるほどではない。夜は奥さんの誕生日会。近所の洋食店に行き、家族全員で食事。ワインをしこたま飲んだが、二日酔いするほどではない。
5:30 起床。奥さんも起きてきてパンを焼き、コーヒーを入れてくれる。外から微かに雨音がする。雨雲によって放射冷却が弱まったせいか冷え込みはなかった。
予定通り7:30ののぞみに乗る。10:25高松着。
船着場に行くと中学生が30〜40名ほど官用船を待っている。人権問題啓発のための社会見学だろう。挨拶がさわやかに飛んでくる。マナーがしっかりと身に付いている生徒さんたちだ。
11:30 大島に着くとさっそく青松園の職員大澤さんに連絡を入れる。ちょうど大澤さんのお昼休みにいっしょに昼食をとることになった。面会人宿泊所を間借りして2人で弁当をほおばる。これから瀬戸内国際芸術祭に向けて、どのように大島を開いて行くかを意見交換する。毎日大島で働いている人が感じる危機感や不安点を聞く。せっかく企画が進んで行ったとしても周りの状況や意識の共有がなければ成り立たない、そこに始まりそこに尽きるのだ。今後私たちが開催するワークショップもまずは足下から。青松園の人々にどのように開いて行くかが私たちの当面の課題である。
昼食後は大澤さんの紹介で入所者の一人に会いに行くことになった。大澤さんが捨てられたものからふと手にした見るからに古い放送劇の脚本。すぐさま大澤さんはその重要性に気づく。その脚本には亡くなられた入所者のお名前が記載されており、ご健在の方の名もあった。そこで大澤さんは面識のある入所者をたずねてお話を聞いたとのこと。
それはおおよそ30年前に現存していた入所者による劇団の脚本だった。放送劇の配役に名を連ねた入所者Aさんに会いに行く。放送劇の録音テープ全17巻をタンスの隅から出してきてくれる。これは大変な発見だ!なんとビデオテープもある。大澤さんの丁寧な説明で瀬戸内国際芸術祭での発表に向けてこれらの超貴重な音声資料一式をAさんからお借りすることができた。テープのすべてをデジタライズして再現することができればと期待は膨らむ。
その後は入所者自治会副会長の野村さん、陶芸室の親方山本さんに会いに行く。野村さんには先月かつおのたたきをごちそうになった時の写真をお渡しする。山本さんはご自宅に見えなかったので、陶芸室に行くとまさに作業中だった。「山本さん!」と声をかけると、ちょっと驚いた表情で振り向いて、その後はにっこり。何も連絡しないで大島に出てきたので少々驚かれたようだ。治療があるとのことだったので少し世間話して陶芸室を後にする。
今日はカメラをいつものように持参してきたが、新しい機材も持ってきた。それは録音機。PCMレコーダーと呼ばれる、小型高機能の録音機だ。先月畑の作業をお手伝いしたとき、入所者の大智さんと東條さんが畑を股に掛けて大声で掛け合いをしているのを目の当たりにして「これは、録音するしかない。」と直感した。音場をきっちり記録〜記憶し、畑が無くなって行ったとしても畑が聞いていた声は記憶することができるのではないか、そう強く感じた。今日は朝の畑仕事には出られなかったので試験的に録音機をまわしてみる。風が強いと、轟音と歪んだ雑音に覆われてしまう。マイク部にカバーをかければ幾分ましなようだ。録音をしていたら、大島メンバーの井木から連絡がある。遅れて着いた井木と合流。自治会室に行き会長の森さんに会いに行く。森さんも突然の来訪で少々驚きながらも「さあ、中に入って。」と自治会室の応接間に通してくれる。井木から2月上旬に行う「かんきつ祭り」の概要を説明し協力を要請する。大智さんほか入所者で畑仕事をしている方は4〜5人と聞いている。手の入った畑はめっきり少なくなってしまったが、今でも野菜や果物が大切に育てられている。柑橘系の果物もそこそこ収穫できることがわかり、柑橘系の果物をジャムやケーキに加工してカフェの一品としてお客さんに食べてもらおうと井木と泉が企画した。まずは「かんきつ祭り」と題して大島の中でワークショップを行いたい、と森さんに相談する。昔は蜜柑のジャムを作っている入所者もいたようだが、最近は食べることがなくなったとおっしゃる森さん。「園内放送をかけて参加を募集かけてもいいよ」とアドバイスをいただく。
15寮の様子を観に行く。掃除はほぼ終わっていて、今後、壁の処理や廊下の工事について井木と打ち合わせる。
来年はいよいよ瀬戸内国際芸術祭の開催年。準備はこれから本格的に始まる。
16:15のせいしょうに乗船して高松へ。風が強く波が高いのでもっと揺れるかと思ったが思いのほかゆったりと船は進む。
高松に着いてから井木と相談して近くのアンティークショップをのぞくことにする。カフェのインテリアのイメージは共有できているが、小物や家具、レジ周りの設えなどは実物を見ながら検討した方が早い。廃校になった学校からの出物だろうか、下駄箱として使われていた、やれた棚や足踏み式のミシン台、使われなくなったミルク缶、波ガラスの収納ボックスなどを2人で物色する。あれも欲しい、これも欲しい…。2人ともイメージが膨らみすぎて暴走気味だ。なんとかはやる気持ちをおさえて高松駅に向かう。いやー、危なかった。もう少しで衝動買いするところだった。
井木と南インド料理のお店に入る。なかなか美味。高松のおいしいものはうどんだけではない。おそるべし、高松。
名古屋までの帰路、断片的に録音したデータをヘッドフォンで聞く。あまりにも高音質で井木もびっくり。
23:45 帰宅。

ギャラリー15寮と愛用のカメラバッグ、ヘッドフォン

ギャラリー15寮と愛用のカメラバッグ、ヘッドフォン